誰もが、一度は目にしたことがある水彩画で描かれた子供の絵。淡い色彩で描かれた子供たちは、絵の中でキラキラと輝き、時にまっすぐな視線を投げかけてきます。北アルプスの麓、大自然に抱かれた美術館は、「世界中の子供に平和と幸せを!」と、願い描き続けたいわさきちひろという絵本画家の慈愛に満ちた美術館です。2016年7月には、あらたに安曇野ちひろ公園の北側エリアにトットちゃん広場がオープン。絶大な人気で訪れるファンが後を絶たない安曇野ちひろ美術館、より一層人気が高まりそうです。

絵本画家「いわさきちひろ」(1918~1974)

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

福井県に生まれ、東京で育ったちひろは、少女のころから先生についてデッサンや油絵を学びます。彼女独特のにじみやぼかしを生かした水彩画には、同時期に習熟した書が影響を与えたと考えられています。28歳の時に日本童画会のメンバーとなり、挿絵などを描き始めます。いわさきちひろは、生涯を通して子供をテーマに描き続けました。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

現存する作品数は9500点。ちひろはモデルなしで、10ヶ月と1歳の赤ちゃんを描き分けたと言われます。彼女の観察力とデッサン力はもちろん、母親目線の温かいまなざしを、展示されている作品群からも垣間見ることができるでしょう。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

安曇野はちひろの両親の故郷で、彼女にとっても小さな頃から慣れ親しんだ心の故郷でした。

いわさきちひろとトットちゃん

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

いわさきちひろを語る上でトットちゃんは欠かせません。トットちゃんとは、TVでおなじみの黒柳徹子さん。小学生の頃、通っていた小学校を退学になり「トモエ学園」に転校します。そこでの日々を書いた自伝的物語『窓ぎわのトットちゃん』は、1981年に講談社から出版されて以来、800万部を発行し、35ヵ国以上で読みつがれ、「戦後最大のベストセラー」と称されています。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

この本の表紙や挿絵が、いわさきちひろの作品で、黒柳さんの強い希望から実現したと言われています。現在、黒柳徹子さんは東京と安曇野両館の館長を務められています。

訪れる人を優しく包む美術館

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

いわさきちひろの歴史と作品を知る展示室の他、世界の絵本画家の作品を間近で鑑賞することができます。その他、絵巻物なども展示されていて、絵本の歴史も知ることができます。様々な国の絵本や原画を見ることで、色彩感覚や手法の違いに驚かされます。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

「トットちゃんの部屋」では、子供たちが絵本を読んだり、遊んだり、思い思いに過ごせるよう細部にまでこだわりが感じられます。内装、レイアウト、角がない家具にも目を向けてみてください。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

多目的ギャラリーでは、講演会やコンサート、ワークショップなどが開かれます。親子がゆっくりと安心して過ごせるよう構成された安曇野ちひろ美術館は、いわさきちひろの世界そのものなのだと感じます。

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

世界中の子供に平和としあわせを!と願い、常に母の視点から子供たちを描き続けたちひろの世界観が形になっています。ちひろの描く赤ちゃん、子供やお母さんが、わが子や自分の幼い頃、または母とだぶるせいでしょうか。なんとも温かい気持ちになる美術館です。

トットちゃん広場は、体験型公園

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

「食」「農」「いのち」がテーマ

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(画像=Olive、トリップノートより引用)

「体験交流館」では、「食」「農」「いのち」をテーマに、季節に応じた松川村の郷土食作りや農園で収穫した野菜の調理体験ができるようになっています(要予約)。土いじりや野菜作りなど、都会にいると機会がないので、北アルプスの麓、大自然の中で貴重な体験になりそうです。