さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている今、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回は「最近はすぐにセクハラ扱いされるから…」とアピールしてくるようになった上司の話です。

Q. ハラスメントに敏感すぎる上司がウザい…

私の上司は、最近セクハラやパワハラ問題に敏感になっているのか、よく部下に向かって「これはセクハラだと思う?」というような質問をしてきます。
それ自体は嫌ではないのですが、「最近はなんでもハラスメントにするからさぁ…」や「女性社員とはなかなか仲良くできない。すぐにセクハラ扱いされるからね」と女性に向かって、遠回しに嫌味を言ってくるのがウザいなと思うようになりました。

何かあるたびに「頼むから大ごとにしないでね~」とよく冗談まじりに言っていますが、この発言自体はどうなのでしょうか? 女性社員からは嫌われています。(れい/30歳/広告営業)

A. 防御線を貼って、責任逃れをする上司の意図

れいさんの場合、広告営業の職種ですと、もともと接待やコンペなどでハラスメントが多い業界であると思われます。とりわけ、30歳であると、結婚はまだかなど、いわれることも多いと見聞きしています。れいさんの上司は、部下に向かって「これはセクハラだと思う?」という質問をするということは、自ら防御線を徹底的に貼り、万が一が起きた際には責任逃れを考えている可能性があると指摘できます。しかも、「最近はなんでもハラスメントにするからさぁ…」や「女性社員とはなかなか仲良くできない。すぐにセクハラ扱いされるからね」など、女性に向かって自分の身を守ること徹底し、周囲にセクハラの主張をさせないようにする意図を感じます。