それなのに……常連とはマスクを外して大爆笑
対策を徹底する姿は素晴らしいですが、あまりにもお客さんの気持ちを無視してしまうのもいかがなもの。これだけ厳しく管理しているのですが、さぞ店主自身にコロナ対策もバッチリかと思いきや……その“装備”にはア然。
「それが、客にこれほど言っておいて、自分はマスクもしていないんですよ(笑)。なんでも、『厨房は熱気と水蒸気がすごいから、こんなに湿度の高いところでコロナは生きられない』『マスクつけていたら体力が持たない』とかなんとかで。
そして自分はカウンターに座っている仲のいい常連さんたちと、ビール片手にベラベラ大声でお喋りしまくり。叫ぶような大声だったり、肩や背中を叩きあって距離感もほぼないですし。他人(客)に超絶厳しく、自分らに激甘ってどういうこと……。飛沫飛びまくりの、密のかたまりですよ。常連さんたちもマスク付けてない人の方が多いし、仕切りのプラスチックの板を勝手に外して、もうとにかくやりたい放題でした」
お店の評価サイトは炎上している
もはや「店主自身が感染源になりかねないですよ」と語る西山さん。このように傍若無人(ぼうじゃくぶじん)、一部の客だけに理不尽に厳しいコロナ対策を押し進めた結果、店のSNSや評価サイトは今も炎上中です。
「辛辣(しんらつ)なレビューが多くて、もう擁護(ようご)できないくらいですよ。 『これ以上被害者を出したくない。行く前に絶対レビューを見てください』とか、 『コロナで神経がピリピリしているのでしょうが、客に八つ当たりしすぎ』 『味は美味しいしコスパも悪くないが、それらすべてをマイナスに覆すくらい店主の態度が最悪』 『驚くほど早く帰りたくなる店です』(一部レビューを抜粋)
なんか、コロナ禍になって店主の本性が見えてしまったような……。できる限り、応援しようと思っていたのに。コロナ禍でも、お客さんを大切にしてくれるお店を開拓したいです」
この事態を乗り切ろうと全国の飲食店が必死になる中、お客さんの心をないがしろにするほどの対策は、まさに本末転倒。物理的な問題も、心の問題も、思いやりを持ちつつ適度な距離感を持ちたいものですね。
―シリーズ「新しい生活様式がしんどい」―
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<取材・文&イラスト 赤山ひかる> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 赤山ひかる
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