【BARのマスターに聞く!第2回】
こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
長く友達だったのに、結婚や出産、はたまた子どもの進学などが絡んでくると、とたんに疎遠になったりギクシャクする関係があったりします。これからも変わらず仲良くしていたいけど、それってやっぱり無理なのでしょうか。
「BAR BOSSA」のマスター林伸次さん(右)と筆者・おおしまりえ(左)
前回記事から引き続き、渋谷のワインバー「BAR BOSSA(バールボッサ)」の店主であり、作家活動もされているマスターの林伸次さんに“人生相談”しながら答えを探ってみました。
【BARのマスターに聞く!第1回】⇒友達づくりの上手な人が“やらないこと”とは。バーのマスターに聞いて納得
女性は結婚や出産、男性は役職や年収で、友人関係が変わりがち
おおしま: 女性の場合、結婚や出産がきっかけで友達と疎遠になるケースって本当に多いように思います。私自身、36歳まで出産を見送る側として気づいたら友達と疎遠になったこともありますし、今回妊娠して、「あれ? 私って気を使われてる?」と逆の立場になって見えることもありました。いわゆるステージの変化による距離感の変化なわけですが、これってもう仕方ないものなんでしょうか?
林: 仕方ないと僕自身は思います。ただそのライフステージの違いによって疎遠になるって感覚は、男性はちょっと違うんですよ。男性はライフステージではなくて、社会的な立場の上下によって、関係が成立したりダメになったりすることがあります。 例えば、ずっと対等だった学生時代の友達が、大人になって役職とか年収に差がついて上下が見えると関係が終わってしまったとか。逆に大人の男性同士が初対面の場合、どっちが上か下かが分かった方が会話は成立しやすいんです。「先輩すごいっすね!」みたいな、立場が明確な会話が出来て楽なんですね。
おおしま: 上下が分かると会話がスムーズというのは、女性にはない視点かもしれません。そもそも女性は、社会的なステージの差とかが目に見えて分かると、関係がそれだけで続けにくくなる側面があるように思います。だから、どちらが上か下かは、なるべくボカす文化といいますか。
林: 男性同士の場合、友達同士でもプライベートについて話さないことも多いので、仕事や社会的なステイタスで会話を成立させる側面が強いんだと思います。そう考えると、いい大人が「大学はどこか」から始まり、趣味でも「どっちが詳しいか」といった話をしているのは、女性からみたら面白く感じるかもしれませんね。
男女で違う、友達付き合いの形
林: おおしまさんに聞いてみたいのですが、男性は社会的な上下関係で会話を成立させる側面がありますが、女性はそうではなくて「この人が味方かどうか」を確認しあうことで会話が成立すると聞いたことがあります。これって本当ですか?
おおしま: 確かにあるかもしれません。私自身は味方かどうかを意識はしませんが「攻撃的かどうか」は自然と気にします。例えば、相手にマウンティングするとかは、無自覚の(自覚しているケースもある)攻撃です。あとは、全部の話題に対して「私は興味ないから」といった否定のスタンスで攻撃してくる人もいたりします。変化球として、全部をベタ褒めするタイプもいたりして、これも心の中で警報が鳴ります。 私は「この人とは分かち合いたいな」って感覚になるかを大事にしているので、味方かどうかと近いかもしれません。 今回のライフステージが変わることで友達と疎遠になるという悩みも、自然と離れていくケースだけでなく、突然どちらかが攻撃的になって距離を取らざるをえないケースもあるように思います。
林: 今聞いていて思ったのは、女性にとっては、結婚とか出産とかプライベートの成果が、自分自身の成果と結びつきやすいから疎遠になるという問題が起きるんでしょうね。男性にはプライベートの成果ではなく社会的な成果が自分と結びつくので、結婚とかで疎遠になることはありませんが、一方で左遷とか給料が下がったとかがあると、疎遠になることがありますから。