シャーマンと人々との関わり
シャーマンとは職業ではないため、普段は一般人として仕事をしながら生活をしています。そのため見た目に見分けはつかず、お寺のような決まった場所にいるわけでもありません。依頼者は人伝いに情報を得るしかありませんが、シャーマンの数は意外と多く、都市部ではわりとカンタンに見つかります。
郊外の小さな村でも一人以上はシャーマンがいるらしく、人々は幸せを求めたり苦しみを取りのぞくなど、様々な願いを持ってやってきます。重要度や深刻度はそれぞれですが、それは私たちが心に抱く悩みや望みと変わらないでしょう。
儀式にはお供物としてお菓子やミルクが用意され、シャーマンは衣装をまとい大きな太鼓を手にします。そして太鼓の音とともにトランス状態に入り、天から精霊を呼び寄せます。この間シャーマン自身の意識がどこへ行っているかわかりませんが、終わったあとは夢を見ていたようなぼんやりとした感覚になるようです。
通常、儀式は個人の依頼によって行われますが、ときには「オボー」と呼ばれる場所へ出向くこともあります。オボーとは丘や峠などに石を積み上げて造られたもので、祈りの場として扱われています。
草原に住む遊牧民は干ばつ、洪水、雪害、山火事など、自然災害の影響を大きく受けるため、良くない状況が続いたときは、人々はオボーに集まり天に祈ります。その際にシャーマンまたは僧侶を招き、神をなぐさめ天の恵みを受けとるための儀式を行うそうです。
おわりに
シャーマンは不思議なエネルギーを操りますが、人々にとって特別な存在というよりは、もっと身近な心の支えになっているように感じます。遊牧民は常に大自然と共存し、壮大さや厳しさの中で暮らしています。そんな彼らにとってシャーマニズムの原点となる思想は、きっと変わずあり続けるでしょう。
ですがシャーマニズムを信仰する人ばかりではなく、シャーマンの予言を占いのように捉え、当たるかどうかにフォーカスしたり、信じないという人たちも実はいます。ただ、自分たちを生かしてくれているこの世界を敬う意味で、シャーマニズムを捉えていくと面白いのではないでしょうか。
モンゴルを訪れた際には広大な大地の上で、人々がどのように自然と向き合ってきたかを感じてみてください。もしかしたら今までにない世界観が広がるかもしれません。
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