GWから、来春に小学校入学を控えた子どもたちの「ランドセル商戦」が本格化しています。
複数のランドセルメーカーの製造から販売まで経験し、ランドセルのプロとして各メーカーのランドセルを的確に評価しているkazumamaさん。ブランドイメージに左右されることなく、子どもの目線に立ったレビューに多くの信頼が寄せられています。
「ランドセルの情報をチェックするときは、ネットの情報だけを信頼しない方がいい」と語るkazumamaさん。その真意とは?
写真はイメージです(以下同じ)
前回に引き続き、新型コロナ流行以降に大きく変わったラン活事情や、ランドセル選びの注意点などをお聞きします。
【前回記事】⇒ランドセルを選ぶ“ラン活”、異常な過熱のカラクリ。完売続出は何だったのか
ランドセルを「自宅でゆっくり試着」して選べる
――前回、数年前と比べて最近ではランドセル市場の動きがゆっくりになったという話を聞きましたが、2023年のトレンドなどはありますか。
kazumama「各ランドセルメーカーが人気ブランドとコラボして様々なデザインを出しています。デザイン性の高いランドセルが増え人気です。 男の子用のランドセルは一般的に黒色が人気な中、スポーツメーカーやアパレルブランドとのコラボ商品が多いですね。女の子用のランドセルは様々なブランドやゴージャスなものが多い傾向があります。
また、コロナ下で『ランドセル貸出』サービスを始めたメーカーが増えました。申し込めばランドセルが自宅に届いて試着できるというものです。これは私としても特におすすめしたいサービスです。ランドセルの中に本や荷物を入れて、実際に歩くこともできます」
――それは便利なサービスですね。
kazumama「メーカー側にとっては、売れる売れないに関わらず送料や手間もかかりますし故障して戻ってきたら修理もしないといけないので、デメリットもかなり多いはず。それでも購入者にとっては店員の目や他の客を気にすることなく家でリラックスした状態でランドセルを選べる良いサービスだと思います」
天然革のランドセルは「使い込むことで味が出る」のか
――前回の記事でお話に出てきた「牛革」などの天然の革のランドセルは実際どうなんでしょうか。やはり本物ならではの良さがあるのでしょうか。
kazumama「本物にこだわりたい方もいるので、個人の好みや価値観によると思います。実際にラン活ブームで牛革のランドセルはものすごく売れました。牛革のランドセルには『子ども(孫)には本物を使わせたい』という親の思いが詰まっているので、良い・悪いの問題ではないと思います。 そのことを前提にした上でなのですが、私個人としては、ランドセルに牛皮を使うメリットをあまり感じられないというのが正直なところです。
カバンやサイフなどに牛革を使うメリットは、手触りの良さや使えば使うほどしわや汚れがなじんで味になる点にあります。でもランドセルは汚れや水を弾くために牛革の上に防水加工をします。ですから使い込むことによる味や柔らかい手触りなんて、大人のアイテムのように期待できるものではありません。見た目もほとんど人工の革と見分けがつきません。牛革は重いので、私はどうしても人工の軽いものと比べてしまいます」
――経年変化に関係なく、天然革の質感や手触りなどが好きという人もいますよね。子どもにも実際に手に取ったり、背負って歩いてもらったりしながら、子どもも親たちも納得のいく選択ができたら良いですね。