オペラハウスなどの観光地やコアラやカンガルーなどの野生動物と違って、あまり馴染みのないオーストラリア料理ですが、実は美味しいものがたくさんあります。今回は在住者である筆者がおすすめする、シドニーに訪れた際に必ず食べておきたいオーストラリアンフードと、それが楽しめるレストラン&カフェをご紹介します。
1. パブで「オージービーフのステーキ」
なかなかイメージしづらいオーストラリア料理の中でも、恐らく一番メジャーな存在の「オージービーフ」。広大な大地で育まれたオーストラリア産の牛肉は、脂身が少なめの赤身肉「アンガスビーフ」が主流でしたが、最近では柔らかい霜降りのWAGYUと呼ばれるオーストラリア産の和牛ブランドも人気です。
週末になると至る所でお肉の焼けるいい香りが漂うバーベキュー大国のオーストラリアに訪れたら、オージービーフは豪快にステーキで食べておきたいところ。高温で調理されジューシーな肉汁を閉じ込めたステーキは、ナイフを入れた瞬間肉汁がジュワーと流れ出し、お肉そのものの美味しさが楽しめます。
おすすめのレストラン「Bopp & Tone(ボップ&トーン)」
オーストラリアでは高級ステーキ店だけでなく、街中にあるパブやレストランなどでも、気軽にリーズナブルなお値段でボリュームタップリのステーキが食べられます。手軽にステーキを食べたい時に筆者がオススメするのは、シドニーCBD(中央ビジネス区域)のオフィス街にあるレストラン&バー「Bopp & Tone(ボップ&トーン)」です。
クラシックで重厚な雰囲気が漂う店内と、風通しがよく緑溢れる雰囲気のテラス席。二つの相反する雰囲気の中でランチからボリュームタップリのステーキが楽しめます。
看板商品のTボーンステーキは、1kgと量が多くお値段も$200近くするので少々敷居が高め。そんな中でおすすめなのが、テラス・バーの席で食べるランチメニューのステーキです。ウッドグリルで調理されたボリュームたっぷりの柔らかいサーロインステーキが、リーズナブルなお値段で楽しめます。
ランチであればハウスワインが一杯$6.00(¥560)が飲めるので、是非ステーキと一緒に赤ワインを楽しみましょう。場所はWynyard(ウィンヤード)駅のバスターミナルのすぐ目の前とアクセス抜群なので、観光やショッピングの合間のランチスポットとしてもおすすめです。
2. オイスターバーで「シドニー・ロックオイスター」
周囲が海に囲まれ新鮮なシーフードが楽しめるオーストラリアで、間違いなく筆者がおすすめしたいのがオイスター(牡蠣)です。オーストラリアで牡蠣は熱調理するよりも生の状態でいただくのが主流で、レストランに入るとまず最初に生牡蠣をスターターとしてオーダーします。日本で言う「枝豆」のようなイメージでしょうか?
オイスターの種類は大きく分けて「シドニー・ロックオイスター」と「パシフィック・オイスター」の2種類あり、筆者のお気に入りは「シドニー・ロックオイスター」です。日本の牡蠣に比べて身は小振りながらも香りが濃厚で、凝縮された旨味がキリッと冷えた白ワインに合います。因みに「シドニー」とありますが、シドニー原産という訳ではありません。
おすすめのレストラン「The Morrison Bar(ザ・モリソン・バー)」
シドニーでロックオイスターを食べるなら、絶対に外せないのがシドニーCBDにあるオイスター・バー「The Morrison Bar & Oyster Room(ザ・モリソン・バー & オイスター・ルーム)」。「シドニーでオイスター」と言えば必ず名前の挙がる名店です。
こちらでは産地ごとに毎日様々な種類のオイスターを用意していますが、特におすすめなのが毎週水曜日18:00から行われている「オイスター・アワー」。新鮮なシドニーロックオイスターが1個$1.50(¥140)で食べられます。ビールやワインが一杯$6.00(¥560)で楽しめるハッピーアワーと合わせると、さらにリーズナブルに楽しめますよ。
3. 波打ち際で「フィッシュ&チップス」
白身魚のフライにフライドポテトを添えた「フィッシュ&チップス」は、英国の文化を色濃く残すオーストラリアでも定番のソウルフード。パブやレストランでもド定番と言われるメニューで、お店ごとに魚の種類や調理法の違いが楽しめます。
シドニーで美味しいフィッシュ&チップスを食べたい時は、シティの東10kmの位置するWatsons Bay(ワトソンズ・ベイ)に訪れましょう。ワトソンズ・ベイは、シドニー湾の入口にあたる半島(サウスヘッド)一体の漁師の街として栄えていたエリア。フェリー乗り場もあるので、日帰り観光のスポットとしても人気の場所です。
ワトソンズベイのランドマーク的な存在であるシーフード・レストラン「Doyles(ドイルズ)」は、シドニー最古のフィッシュ&チップス店です。本店の「Doyles on the Beach(ドイルズ・オン・ザ・ビーチ)」はMarine Parade(マリーン・パレード)のビーチ沿いにあります。
おすすめのレストラン「Doyles on the Wharf(ドイルズ・オン・ザ・ワーフ)」
ファンシーな本店でフィッシュ&チップスもいいですが、筆者のおすすめはカジュアルなテイクアウェイ(持ち帰り)専門の姉妹店「Doyles on the Wharf(ドイルズ・オン・ザ・ワーフ)」。本店よりもリーズナブルなお値段で、手軽に美味しいフィッシュ&チップスが楽しめます。
ここに訪れたら、まずはフィッシュ&チップスをオーダー。衣にビールを混ぜることでサクッと揚がる「ビア・バタード」で調理されたフィッシュ&チップスは、外側はカリカリ、中は熱々ホクホク。ベースの白身魚は、追加料金でオーストラリアお馴染みのバラマンディをはじめ、鱚(きす)などにも変更できます。
お店があるのはフェリー乗り場の桟橋の上。持ち帰り専門店ながらもテーブルと椅子が並ぶイートイン席もあり、そこからはフェリーの発着する様子やシドニー湾が望めます。アルコールもオーダーも可能なので、ビールや白ワインと一緒にフィッシュ&チップスが楽しめますよ。
お店のすぐ目の前には大きな公園の「Robertson Park(ロバートソン・パーク)」やビーチもあるので、芝生やベンチに座りながら揚げたて熱々のフィッシュ&チップスを頬張るのもいいですね。波打ち際で食べるフィッシュ&チップスは、より味わい深い気がします。