なぜ成人年齢は引き下げられる?

――なるほど、成人になると未成年のように守られなくなるわけですね。そもそもなぜ20歳から18歳に成人年齢は引き下げられるのですか?

中島:これには以下のような理由があります。 ・世界の基準に合わせるためです。OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国の内、20歳を成人としているのはニュージーランドと日本のみです。 ・高齢社会の中で若者の社会参画を促したいためです。 ・選挙権、国民投票の投票権などと共に18歳に揃えたいためです。

成人年齢が18歳に変更。お酒は飲める?周りの大人も知っておくべきこと
(画像=『女子SPA!』より引用)

――ええ!? 18歳から成人というのは世界では一般的なんですね。 たしかに若いころから社会でもまれた方が、物事を考える力はつきそうです。

ところで、今回の成人年齢引き下げに伴って18歳から金融機関の口座開設が行えるようになりますよね? 若いうちから投資や資産運用をはじめる、メリットはどんなことがありますか?

中島:投資や資産運用は、一時的なものではなく一生に渡って関わってくるものです。

ゼロ金利の下では、預金だけでは資産を増やすことができません。また、老後になって初めて資産運用を学ぶようでは、失敗したり騙されたりといった結果に繋がりかねません。

若い内から学び経験を重ねていくことで、知識も実力も伸びるはず。株式投資もFXも暗号資産も、社会人として知っておいて役立つ内容が沢山ありますので、そういう意味でも学ぶ価値があります。

また、若者の行動力やアイデアが、投資での成功を導くことも考えられますから、世界に羽ばたくようなスターが生まれることも期待したいですね。

成人年齢が18歳に変更。お酒は飲める?周りの大人も知っておくべきこと
(画像=『女子SPA!』より引用)

学生の関心は?

――そうですね、若いうちから自分で資産を増やす力を身に付けた方が、より習慣化しやすく、その知識を使える期間も長くなっていいかもしれません。

おじいちゃん・おばあちゃんになってある程度お金を持った後に、大きく失敗してしまっても怖いですよね。若いころなら少額資金から少しずつはじめる方が多いと思うので、リスク回避の面でもメリットがありますね。

ところで、中島先生は多くの学生と接していらっしゃいますが、学生さんたちは成人年齢引き下げや投資に対して興味・関心はいかがですか?

中島:学生の中では、投資に関心を持つ人は徐々に増えてきているように思います。一方で、「はじめの一歩」が踏み出せない人が多いようです。投資を始めるためには、証券会社に口座を開設したり、投資先の銘柄を選んだりしなければなりません。

学生には、まず「1万円での投資」を勧めています。なによりもまずはマーケットに参加することが大事です。

短期的に儲けようとするのではなくて、じっくりと植物を育てていくように資産を増やしていくというような感覚を身につけて欲しいと思っています。

これからは投資を早く始められるようになるので、そうした感覚を若い時期から学んで欲しいです。

成人年齢が18歳に変更。お酒は飲める?周りの大人も知っておくべきこと
(画像=『女子SPA!』より引用)