ここ数年、人気の食材となった「オートミール」。手軽に食べられるものの、ついマンネリ化しちゃいますよね。でも実は色々なレシピにアレンジできる万能食材なのです。
最近は多くのレシピ本が出版されていますが、今回は2014年から『オートミール365日』というサイトで数多くのレシピを発信してきた木村嘉代子さんにPARISmagらしいフレンチシックなレシピを教えてもらいました。
若い世代に再評価されたオートミール
主に美容雑誌等のライターとして活躍していた木村さん。オートミールとの出合いは、小学生の頃にさかのぼるそう。
「帰国子女でもなく普通の家庭に育ったのですが、なぜかよく朝食でオートミールが出ていたんですよね。その当時は何も疑問を持たず食べていました」
時を経て、90年代に7年間ロンドンとパリに移住した木村さんは、そこでオートミールに再会します。
「イギリスはオートミールを食用として食べるようになった国。私がイギリスで暮らしていた90年代にはすでにヴィーガンレストランが人気で、そこでオートミール料理が提供されていました。一時期は“古臭い食べ物”として人気が低迷したそうですが、2000年代になると健康を意識する若者に再評価され、さまざまなレシピが開発されています」。
オートミールは海外で“ダイエットフード”というよりも“健康食”として位置付けられており、その栄養価は非常に高いそう。
「オートミールは食物繊維が豊富なだけでなく、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が入っているのが特徴です。またオーツ麦に含まれるオーツ麦β-グルカンは、血糖値とコレステロールを下げる効果があり、米国食品医薬品庁(FDA)が「冠状動脈心疾患のリスク低減」、欧州食品安全機関(EFSA)が「食後血糖値の上昇抑制」の表示を認可しています。さらに、ビタミンB1、B2などのビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、タンパク質のバランスがよいスーパーフードなんです」。
オートミールにはさまざまな種類がありますが、一般的なものはロールドオーツと呼ばれるオーツ麦の外皮を取り除き蒸して潰したもの。右は木村さん一押しのスティールカットオーツです。
「スティールカットオーツは、オーツ麦を2〜3等分にカットしたもの。蒸して潰すなどの加工をしていないので、オーツ麦の食感や風味をダイレクトに味わうことができます。プチプチした食感が特徴で、クスクスやキヌアのように使うことができます。日本ではあまり流通していませんが、海外では人気が高く多くのスティールカットオーツが売られています」。
日本では、輸入食材店やオンラインショップ等で購入することができますよ。
では、さっそくオートミールを使った料理を作っていきましょう。
朝食にぴったり!ふっくら食感の「ツナチーズパンケーキ」
【材料】(4枚分)
オートミール(ロールドオーツ)…1カップ
卵…1個
豆乳…1/4カップ
ツナ…1缶
溶けるチーズ…25g
塩・こしょう…少々
バター…少々
【作り方】
1.生地を作ります。
ボウルに卵を入れて、白身の塊がなくなるまでしっかりと溶きます。そこにほぐしたツナとオートミールを入れ、固さを調整しながら豆乳を加えていきます。チーズを入れたらさっくりと混ぜ、塩こしょうで味を調えます。
2.生地を焼きます。フライパンを中火にかけたらバターを溶かします。大さじ1の生地を入れて、厚さ1㎝ぐらいにのばし焼きます。キツネ色になったら裏返し、両面を焼きます。
3.盛り付けます。
レタスや、ベーコン、目玉焼きを添えたらアメリカンブレックファーストのできあがりです。
ふっくらとした食感、ツナとチーズの塩加減が食欲をそそるパンケーキです。生地にズッキーニ、ベーコン、玉ねぎ、スモークサーモンを加えてもおいしいですよ。今回は食事系のパンケーキに仕上げましたが、甘いパンケーキも人気のレシピ。その場合は、ツナ、チーズ、塩こしょうを省きベーキングパウダーを加えましょう。
アペロにぴったり!フランスの定番サラダ「タブレ」
【材料】(2人分)
スティールカットオーツ…1/4カップ
熱湯…1/2カップ
キュウリ…1本
トマト…1個
玉ねぎ…1/2個 ※新玉ねぎ、赤玉ねぎがおすすめ
パセリ…3本ぐらい
コリアンダー…適量
レモン果汁…大さじ1
オリーブオイル…小さじ1
カトルエピス…少々 ※オールスパイスでもOK
塩・こしょうて…少々
【作り方】
1.スティールカットオーツをふやかします。
スティールカットオーツと熱湯をスープジャーに入れて蓋をし、3~4時間そのまま置きます。
2.野菜を切ります。
キュウリ、トマト、玉ねぎを小さめの角切りにします。
3.具材を混ぜ合わせます。
ボウルに[1]のオートミールと[2]の野菜を加え、ざっくり混ぜます。レモン果汁、オリーブオイル、カトルエピスを入れ、塩・こしょうで味を調えます。
4.盛り付けます。
[3]を皿に盛り、ちぎったパセリとコリアンダーを飾ったら完成です。
PARISmagでも人気の定番サラダであるタブレも、スティールカットオーツで簡単に作れます。スティールカットオーツのプチプチ食感は、クスクスとはまた違った味わい。栄養価の高いタブレに仕上がりました。ロールドオーツに比べて扱いが難しいと思われがちなスティールカットオーツですが、スープジャーを使えば簡単に調理できますよ。冷凍保存も可能で、スープやお粥に応用できます。
ギルトフリーなスイーツ「オートミールのクレームブリュレ」
【材料】(小さめのココット4個分)
オートミール(ロールドオーツ) …1/3カップ
牛乳…1/2カップ
卵…1個
砂糖…大さじ2(30g)
カラメルソース…お好みで
【作り方】
1.卵をほぐします。
小鍋に卵を入れ、さい箸などで白身の塊がなくなるまでよく混ぜます。
2.材料を煮ます。[1]の鍋に、オートミール、牛乳、砂糖を加え、弱火にかけます。 木べらなどで混ぜながら、クリーム状になるまで10分程度煮ます。
3.冷やします。
[2]をココットなどに入れます。粗熱が取れたら冷蔵庫に移し冷やします。
4.仕上げます。
[3]にカラメルソースをかけたら完成。
濃厚でスイートなクレームブリュレも栄養価の高いオートミールを使えば、罪悪感が少なくなるかも!今回は手軽にカラメルソースをかけましたが、本格的に仕上げたい方はぜひキャラメリゼに挑戦してみてください。表面にグラニュー糖をふり、コンロの直火で熱したスプーンをなでつけるように滑らせると焦げ目をつけることができます。
木村さんは洋風だけでなく、和風や中華風のレシピもたくさん発信しています。
「私がオートミールレシピを開発するようになった10年ほど前は雑穀ブームで、マクロビオティック的な和風レシピを多く作っていました。ひき肉のように使えるので、ソーセージやハンバーグなどのひき肉料理に応用していき、どんどん世界の料理に広げていったんです。またスティールカットオーツの方が優しい香りなので食べやすいですし、スパイスやハーブを加えると本格的な味わいになりますよ。ロールドオーツをスムージーに入れるのも◎。これは海外の筋肉トレーナーが紹介していたレシピです」。
オートミールレシピが気になる方は、バラエティ豊富なレシピを紹介している木村さんの「オートミール365日」をチェックしてみてください。きっと作りたくなるレシピに出合えるはず!
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