3~4月は環境が変わって、カップルが別れやすい季節だと言われます。たとえば離婚件数は例年、3月がトップ(人口動態統計)。そこで、別れの季節にちなんで、「自分史上、最悪の恋愛」にまつわる人気記事を再掲載します。女性たちが振り返る、最悪恋愛の思い出とは…?
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愛する彼にとことん大事にされる…… 骨の髄(ずい)まで愛される……
女性なら、誰しも一度は夢見るシチュエーションかもしれません。
しかし、深すぎる愛はある意味、諸刃(もろは)の剣。何かのきっかけで愛情が狂気に変わったとき、それは底知れぬ恐怖となって私たちに襲いかかるかも知れません。
都内の食品メーカーに勤める矢代有紀さん(29歳・仮名)の悩みの種は、「彼氏に愛され過ぎて困っている」ということ。一見「ノロケか!」と思いますが、重すぎる愛は徐々にエスカレートし、彼は「執着心や束縛が激しいメンヘラ男」に変貌。矢代さんの日常を脅(おびや)かすまでになっていったといいます。
「僕は君ナシでは生きられない……!」
「元々私が面倒見がいい性格というか、おせっかいを焼いてしまうタイプ。なので5つ年下の彼にも、平日も家に通って頻繁に食事を作ったり洗たくをしてあげたり……と尽くしていたんです。昔から彼はどこか精神的にもろい部分がある人だったんですが、付き合って半年が経つ頃に『僕は君がいないと生きていけない』『僕と君は一心同体』と言うようになっていったんです」
彼にとっては矢代さんが自分の一部のようになっていき、身の回りのことだけではなく精神的にも彼女にべったりと依存するようになっていきました。
「彼は一人では生きていけない人でした。仕事でミスしたり嫌なことがあると、どちらかが寝落ちするまで毎晩電話をかけてきたり、休日だけじゃなく『いつも君に会いたい』『会わないことが耐えられない』と少しでも時間があれば家に押しかけてくる。
仕事や友人との予定で会えないときは、『10分置きに連絡して!』と逐一行動を報告しなきゃいけない。ひどいときは、連絡(電話やメッセージ)だけじゃなく、ムービーや写真で『今何してるか送って』と言われ続けていました」
写真はイメージです(以下同じ)
矢代さんいわく、「なぜか彼はとことん自分に自信がない人」。
自己肯定感が極端に低く、「誰かに必要とされたい」「自分を認めてほしい」という思いもあり、それに応えてくれる彼女に依存していったといいます。また、「どうせ自分なんて誰からも必要されていないんだ」という思いも強く、それが「もしかしたら彼女にも裏切られるんじゃないか」=行動を監視しなきゃ! と過度な束縛に繋がったとか……。
愛情が重すぎる彼に、別れを切り出したら……
しかし、そんな過度な束縛や依存に耐え続けられる人はそういません。矢代さんも1年間は耐え続けたものの、ついに限界を迎えました。でも、精神的に追い詰められるほどの“重すぎる彼氏”はそう簡単には別れを受け入れません。
「なるべく相手を傷つけたくないので、『あなたのことは嫌いじゃないけど、愛情が重すぎる』『今後は友達として付き合っていきたい』と、結構オブラートに包んでやんわりと別れを告げたんです。でもそれが彼には効かなかったみたいで……」
彼にとっては、彼女は大事な“依存相手”。そう簡単には手放しません。
「彼の脳内では、『嫌いじゃない=今は機嫌が悪いだけで、僕たちはまだ愛し合ってる!』『友達として=僕のそばにいたいんだね』と変換されたみたいで、別れた後も普通に電話がきたり職場まで迎えにきたこともありました。
見かねた共通の友人が彼に説教してくれたんですが、『誰に邪魔されても、僕は愛を貫くよ!』とメッセージが来て、逆効果になってしまったり……。別れ話があまりに衝撃的だったのか、そこからさらに彼はおかしくなっていったんです」