新型コロナやウクライナ情勢の影響による原油高など、さまざまな理由で多くの商品が値上げされています。鉄道業界も同様で、2023年3月にJR東日本の運賃が値上げされます。ここでは値上げされる区間など、JR東日本の運賃値上げについて解説します。

東京の電車特定区間を利用する場合10円値上げ

2023年3月にJR東日本で値上げされるのは「東京の電車特定区間」です。具体的には、山手線や京浜東北線など16路線278駅が対象となっています。

では、いくら値上げされるのでしょうか。普通運賃と普通定期券の料金がそれぞれ次のように値上げされます。

・普通運賃10円(切符・ICともに値上げ)
・普通定期1ヵ月280円・3ヵ月790円・6ヵ月1,420円値上げ(ただし、通学定期への加算はなし)
※小児は、料金加算後の大人運賃の半額となります。

もともとこの区間は利用者が多く、運賃が低く設定されていたことから、今回の値上げの対象となりました。

増収分はホームドアの設置などに使われる

今回の値上げで、JR東日本は一定の増収が見込まれます。では、この増収分は何に使われるのでしょうか。

実は、今回の値上げは国土交通省が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したものとなっています。鉄道駅バリアフリー料金制度とは、ホームドアやエレベータなどの整備費用を運賃に上乗せできるというもので、この制度を活用するのはJR東日本が初めてです。つまり、今回の値上げは使い道がはっきりしているものなのです。

JR東日本は2031年度末までに、値上げエリア内の330駅でホームドアの設置を進める予定ですが、今回の値上げによって総費用の半分を賄えるとしています。