どんなに不幸な日常でも、そこから抜け出すのは難しい

もちろん、ふたりの関係でより傷ついたのは、あなたかもしれません。彼のほうが、家庭という安定した場所を得ながら、もうひとつの恋を楽しんできた。どちらがズルいかといえば、彼なのかもしれません。

でも、あなたはそれをわかっていたのです。でも、「彼は本当は私を好きなのだ」と思いたかったのです。そして、あなたのような心理状態は、恋する多くの人のココロに宿ります。人は、都合の悪い現実を現実として受け止めたくはなくて、自分の理想のことを“現実”と思いたがるところがあります。

占いに月20万円つぎこむ39歳女性。“元彼”を6年間うらみ続ける理由|恋愛相談
(画像=『女子SPA!』より引用)

そして、もうひとつ。人間は、変化を恐れる生き物なんですよね。どんなに不幸な日常であっても、そこから抜け出すのは難しい。「こう変えれば、自分はしあわせになれる」ということがほぼわかっていても、自分を変えられないんです。あなたが彼と別れられなかったのも、不幸だけどどこか居心地のいいぬるま湯のような、少しはいいこともあるような日々の暮らしから抜け出せなかったからではありませんか。

抜け出そうとしたときには、彼を100%諦めなければならなくなる。それよりは、ごくたまにでも会ってほしかった。そうなのではないでしょうか。

醍醐味を捨てた人生にはしっぺ返しがあります

占いが悪いとは言いません。それを頼りにして前向きになれるならそれもありです。ただ、カウンセラーという立場からすると、少々当てずっぽう的な占いもある気がするのと、中には占い→呪い→厄除けで10万円かかりますよ。なんてとこもある。それでも、占い師に頼り続けているのは、そのほうが気楽だからなのでしょうね。自分で未来を選び、決めていくことは少々難儀ですものね。実はその難儀なところに生きる醍醐味がある。だけどあなたは、そこの醍醐味を捨てた人生を歩んでいるような気がします。

占いに月20万円つぎこむ39歳女性。“元彼”を6年間うらみ続ける理由|恋愛相談
(画像=『女子SPA!』より引用)

そして、醍醐味を捨てた人生にはしっぺ返しがあります。「人のせい」にしたり「恨んだり」「後悔」したり。そんなことをしても人生を取り返すことなんてできない。それをあなたもわかっているから、現実逃避したくてお酒や過食にはまっていったのではないでしょうか? どうせ私なんか……そんなふうに自分を責めるうちに、今のような毎日になったのではないでしょうか。

でも、あなたは自分を責めてはいけないんです。絶対に責めてはいけない。たまたまあなたは、そういう恋をしてきた。彼からは選んでもらえなかった。でもそれは、あなたに魅力がなかったからではありません。たまたま、彼とはそういう相性だったというだけの話なんです。

そんな彼と、ずるずると恋を続けてきたことも、ある意味、ひとつの選択だったのではないですか。占いやお酒や過食も、ポジティブかどうかはさておき、あなたの胸のあたりのもやもやとした苦しいものから逃げて、ちゃんと呼吸をしたくて、そういう選択したのではないですか。きっと、あなたが今日まで生きてくるために必要な選択だったのです。