物語も佳境に入ったNHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(以下『カムカム』)。半年間にわたって、ヒロイン・安子、るい、ひなたが紡いできた三世代にわたるストーリーは4月8日の最終回に向けて、あと1週と2日を残すのみになりました。
『連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ Part1』(NHK出版)
ここ数週は朝ドラの終盤らしく、安子の兄・算太の登場そして死によって岡山に帰り、雉真勇・雪衣との再会、稔の幻影……など、かつて登場した面々の再登場が続いています。懐かしさに沸くなか、特にトミー役・早乙女太一さんの演技は話題を集めました。
29日にはNHK「あさイチ」にも急きょ出演を果たした、早乙女太一の魅力に迫ります。
るい編のキーパーソン・トミー北沢
早乙女さん演じるトミー北沢は、るい編でジャズ喫茶「Night and Day」を拠点に活動していたトランペッター。
オダギリジョーさん演じる錠一郎をライバル視しながらも、その実力を認める盟友だった彼。ダブルデートの際にはるい(深津絵里)と錠一郎が二人きりになる機会を作ったり、錠一郎に思いを寄せるベリーこと一子(市川実日子)に彼を諦めるよう諭すなど、るい編のキーパーソンとなる存在でした。
音楽コンテストでもためらう錠一郎に出場を促し、のちに挫折し自殺を図る彼の元へ向かうるいに車を出しており、まさに彼なしでるいと錠一郎の恋は成就しなかったといっても過言ではありません。
子役時代、北野武に見初められた実力派
幼き頃から音楽一家の中で英才教育を受けたエリートで多くの女性ファンを虜にしていたトミー。その役柄は、幼少期から「流し目王子」として大衆演劇の舞台に立って人気を博していた早乙女太一にピッタリでした。
大衆演劇の劇団員の両親のもと、4歳で初舞台を踏み、ドキュメンタリー番組などで特集されて幼い頃から注目をされていた早乙女さん。北野武監督に見初められて2003年『座頭市』で映画デビューも果たしました。