おすすめの資格をご紹介するこのシリーズ。4回目の今日は、「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格第一位(※)」の「中小企業診断士」について、掘り下げていきます。

(※…2016年 日本経済新聞「新たに取得したい資格ランキング」より)

中小企業診断士ってどんな資格?

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。

引用:J-SMECA

中小企業は、日本国内の全企業数の99%を占めていると言われています。中小企業診断士は、それら企業に対して経営のアドバイスやサポートを行うポジションです。日本国内のほとんどが中小企業である現在、なくてはならない資格と言えるでしょう。ちなみに、ただアドバイスをするだけではなく、中小企業と行政・金融機関等のパイプ役として調整をしたり、施策の適切な活用支援を担ったりと、幅広い活動が中小企業診断士の仕事です。

中小企業診断士の試験は?

中小企業診断士試験は、中小企業支援法第12条の規定に基づき国(経済産業省)が実施する国家試験で、一般社団法人中小企業診断協会が実施しています。試験は第1次試験と第2次試験があり、筆記のみの第1次試験、その合格者を対象に筆記・口述の第2次試験があります。また、登録の有効期間は5年間であり、以下の更新要件をいずれも満たした上で登録の更新が必要です。

  • 新しい知識の補充に関する要件(5年間で5回)
  • 実務の従事要件(5年間で30日以上)

取得して終了というわけではないので、注意しましょう。以下のリンクにも受験の流れや概要がまとまっています。

参考:J-SMECA

資格図鑑/営業職×資格④<中小企業診断士>
(画像=『転職の地図』より引用)

でもなぜ、営業職×中小企業診断士なの?

コミュニケーション力が磨かれる

試験合格後の中小企業診断協会や研究会・勉強会での活動に参加したりと、人との繋がりを広げる・コミュニケーション力を磨くことができるというのも、この資格を取得するメリットです。営業職は、これらの能力が特に問われるポジションです。普段から様々なバックグラウンドの人と話していれば、広い視野や相手の立場になって考える力も磨かれやすくなります。また、実際に診断士として活動する場合も、前述の通り各種調整役として折衝が発生するので、同様のスキルが身につきやすくなります。

経営の知識が身に付く

中小企業診断士の真髄とも言える、経営の知識。経営者は、「ヒト・モノ・カネ・情報・法律・外部環境」の6つから成り立つ「経営資源」の配分を適切に行う必要がありますが、中小企業診断士の資格を持つことで、この部分への確実なアプローチが可能となります。特に営業職であれば、「自社サービス(商品)を導入すると、このように業績を拡大していける」など、一過性ではなく持続可能な将来的展望を含めての提案ができるようになります。

転職時にも役立つ

中小企業診断士は、前述のように人脈・経営の知識を持っていると見なされるため、「必須ではないが、持っていればなおよし」と考えている採用担当者も多くいます。将来的に経営陣としての活躍を期待されているポジションなら、尚更です。また、経営コンサルタントなどに転職したいという人には、ダイレクトに効果を発揮してくれそうです。診断士としてはまだまだ修行が必要な若手でも、取得のために勉強していた姿勢そのものが評価される場合もあります。

このように中小企業診断士は、特に営業職との親和性が高いですが、そこに限定せず様々な職種の人が有効活用できる資格です。

参考:資格の学校TAC

資格図鑑/営業職×資格④<中小企業診断士>
(画像=『転職の地図』より引用)