もし自分の恋人がお金持ちだと知った場合、あなたは以前と同じように相手に接することができるでしょうか?
多くの人はパートナーが裕福であることを喜ぶでしょうし、むしろそれが普通の反応です。
しかし、なかには自分の欲に目がくらんで暴走してしまう人も。島野香織さん(仮名・34歳)が20代半ばに付き合っていた彼氏もまさにそんな人物だったといいます。
「もともと父親が会社を経営していることは伝えていましたが、自営業だと話していたから勝手に勘違いしたようです。でも、誰かからウチの実家のことを聞いたみたいで、ある時期から彼の様子がおかしくなったんです」
自分の分の食事代も払わなくなった彼氏
ちなみに彼女の父親は、数十名の社員を抱える建設会社の社長。自宅もほかの家よりも明らかに大きく、子供のころからクラスメイトより実家が少し裕福であることは自覚していたといいます。
「上を見たらキリがないですが、子供のころは年に1回は海外旅行を連れてってくれたし、地方でしたが学校も中学から私立。ただ、親の教育方針もあって欲しい物を何でも買い与えてくれたわけではなく、小遣いも平均レベル。そのため、高校時代はアルバイトもしていました。
けど、両親は昔からいろんな人からお金をタカられたりして苦労したのも知っていたため、実家が裕福なのは周りには極力言わないようにしていました」
問題の彼氏は会社主催の研修で知り合ったグループ企業の社員。同じ班になったことから仲良くなり、半年ほど友人として付き合った後に交際に発展したそうです。
それでは最初のうちは小さなケンカはあったものの、大きなトラブルなどはありませんでした。ところが、交際から5か月が過ぎたころから彼氏の様子が明らかにおかしくなったとか。どうやらこの時期に彼女が本当はお金持ちであることを知ったようです。
「それまでは食事に行っても基本的にはワリカン、ないし自分の分だけ払っていたのですが、『ゴメン、俺の分も出しといて』って私が2人分を払うことが急に増えたんです。普通なら次の食費は彼が全額払ったり、もしくは私が代わりに払った分を返すじゃないですか。けど、それも一切ないし、気がつけば私が毎回彼の分も払うのが当たり前になっていました」
10万円以上のオーダースーツをねだる彼
しかも、ほかにも以前から計画していた旅行の費用も「後で払うから」と言ったままスルーされたり、誕生日のプレゼントを何が欲しいかたずねると10万円以上するオーダースーツをリクエスト。さらにあれこれと理由をつけてお金を借りようとするなど完全にヒモのような状態になっていました。
「彼はこのころになると、『本当は金持ちなんだろ?このくらいいいじゃん』と完全に開き直っていました。本当はすぐにでも別れたかったけど、ちょっと粘着質というか何をしでかすかわからない感じもあったので別れをこちらから切り出すことができませんでした」