季節を感じる時候の挨拶文例【5月下旬】
最後は、5月20日を過ぎて31日までを指す下旬に使える時候の挨拶を見ていきましょう。初夏も終わりが近づき、梅雨が始まる地域もあるかもしれません。
梅雨や暑さに対しては、ポジティブな印象のある「恵みの雨」という表現やエネルギー感が伝わる言葉選びがポイントです。「向暑の候(こうしょのこう)」のような夏の季語も取り入れてみましょう。
5月下旬に使いたい時候の挨拶のキーワード
5月下旬は二十四節気でいうと、あらゆる生命が満ち満ちていく時期という意味の「小満(しょうまん)」にあたります。また、七十二候では「蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)」「紅花栄(こうさかう)」。
絹の原料にもなる蚕とベニバナオイルや染色の原料になる紅花が成長する様子を表す言葉です。これらも5月下旬の時候の挨拶のキーワードになります。
さらに、5月下旬は、田植えの準備もスタート。少しずつ本格的な夏を感じる時期ですね。
5月下旬の時候の挨拶①親しい相手向けの文例
親しい相手に使いたい5月下旬の時候の挨拶は、初夏から本格的な夏へと季節が移り変わっていく様子を伝える表現がおすすめです。
「汗ばむような陽気の日も多くなっていますが」「照りつける日差しにも夏の気配が感じられるこのごろ」また「梅雨の走りかと思うような日々が続いていますが」という表現からは、初夏から夏へと向かっていく季節感が伝わってきます。
「紅花の鮮やかな黄色がまぶしい季節」など、キーワードを盛り込んでもよいでしょう。
5月下旬の時候の挨拶②改まる相手向けの文例
改まった相手に書く手紙やメールに使いたい5月下旬の時候の挨拶は、きちんとした丁寧な文体がポイントです。さらに、時候の挨拶と安否の挨拶を組み合わせるとコミュニケーションがより円滑になります。
「走り梅雨に濡れ、木々の緑も深みを増すこのごろ、ご平安にお過ごしのことと存じます。」「若葉のフレッシュな香りに伸びやかな気持ちになるこの頃、ご家族の皆様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。」などが文例です。
5月下旬の時候の挨拶③ビジネス向けの文例
5月下旬に送るお仕事相手への手紙やビジネスメールでも、季節の変わり目に関する時候の挨拶がおすすめ。そのあとに続けるのは、お相手の繁栄を喜ぶ言葉や日ごろの感謝の言葉です。
「万緑のみぎり、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」「新緑の候、貴社におかれましてはいよいよご隆盛の段、大慶に存じます。」「薄暑の候、平素は格別のご高配をいただき心から感謝申し上げます。」などが文例として挙げられます。
5月の手紙には時候の挨拶を使ってみよう
手紙やメールには、決まった形式があります。身近な家族や親しい友達にはカジュアルな文体でもOKですが、改まった相手やビジネスシーンで送る手紙やメールには、書き出しに時候の挨拶を書くようにしましょう。
特に、ビジネスシーンでは5月中はいつでも使用できる「新緑の候」のように、きちんとした印象を与える漢語調がおすすめです。社会人としての教養やマナーを表わす時候の挨拶を上手に取り入れてみませんか。
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