食料と薬を差し入れしたら喜んでくれて…
「『油断させるようなこと言ってごめんなさい!アイスでも届けようか?あ、そんなの彼女に頼めばいいか』と送ると『そういえば、沙樹さんの住んでいる所とウチって結構近所でしたよね。彼女いないので困っています。そんなこと言われたらアイスの口になってしまい食べたくなっちゃったので責任とってください!』なんて返してくるので笑ってしまいました」
沙樹さんは、何種類ものアイスとすぐ食べられるサンドウィッチなど、解熱剤とロキソニンテープなどを買い込みKくんの部屋の前まで届けてあげました。
「インターホン越しに話したら、かなりキツそうだったので顔は合わせず帰ってきました。翌日も会社を休んでいましたが昼過ぎに『やっと熱が下がりました。ホント沙樹さんのお陰です』と連絡がきてホッとしましたね」
その他にも「大好きな“雪見だいふく”が入っていて嬉しかったです!なんで僕の好みを知っているんですか?」とか「ロキソニンテープを腫れている患部に貼ったらすごく楽になって、やっとリラックスできました」など沙樹さんの差し入れをとても喜んでくれたそう。
「こんな風に男性に喜んでもらったの、前の旦那と付き合っていた頃以来なので密(ひそ)かに嬉しかったんですよね」
そしてすっかり副反応から回復したKくんに、沙樹さんは食事に誘われました。
毎日のように彼からLINEがくる
「お礼をさせて下さいってことなので、純粋にそれだけだと思うのですが。勝手にキュンとしてしまって。最近お肌の調子が良いんですよね(笑)」
ですがKくんはひどい花粉症で、くしゃみと鼻水が止まらない日々に突入してしまい…食事は花粉が落ち着いた頃にと延期になってしまったんだそう。
「最初は、やっぱり私と食事なんて面倒になって、花粉症を理由に約束をうやむやにしたいだけかな?と思っていたのですが」
Kくんに「せっかく食事のOKもらったのに、すみません!でもくしゃみが止まらない状態では危険過ぎるのでもうちょっと待ってて下さい」とすまなそうに頭を下げられ、それから毎日のように「はやく花粉の時期が終わらないかな。待ち遠しいです」とLINEがくるようになったんだとか。
「前の旦那や、元カレも私と2人で会うことを『待ち遠しい』なんて言ってくれるタイプじゃなかったのでKくんが可愛くて。そんな風に言ってもらえるのって贅沢ですよね」
Kくんと食事の日に着る服をどうしようかな?と悩むのが楽しい沙樹さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子> 鈴木詩子 漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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