鳴きやまない時の対処法
飼い主の目をじっと見ながら、口を開けて「ミャ―/ニャー」と鳴いている時は、なにかして欲しいことがあるからです。
水が汚れていないか、トイレは綺麗か、爪とぎやベッドの位置は好みの場所にあるか、ご飯を与える時間が過ぎていないかなどを確認し、愛猫に快適な環境と栄養バランスの取れた食生活を整えてあげましょう。
理想は、愛猫が欲する前にすべてが整っていることなので、上記の基本的な部分はこまめにチェックしておきましょう。
要求鳴きでは生活習慣の見直しを
もし、愛猫が『鳴いたら美味しいおやつが降ってくる』、『鳴けば遊んでもらえる』、『鳴けば注目してもらえる』と、覚え、自分の要求が満たされるまで鳴き続けるようになっていた場合、飼い主がそれを苦痛に感じているのであれば、少しお互いの生活習慣を見直した方が良いかもしれません。
要求鳴きが酷いようなら、鳴いてもすぐには要求に応じず、鳴きやむのを待ってみましょう。鳴きやんで数秒から十数秒静かにしていたら、愛猫の要求をかなえてあげたり、特別なおやつをあげるなどをして、静かにしている方がもっと良いことがあると、徐々に教えていってみてください。
中々鳴きやまないようであれば、飼い主が別室に移動しましょう。3mほど離れると鳴きやむことがあります。鳴きやんだら部屋に戻って、鳴く前に声をかけたり、撫でたりして、要求をかなえてあげてください。
また、朝方に『お腹が減った』と、鳴きやまないのが辛い場合は、寝る前に、愛猫が夜間に少量ずつフードを食べられるような知育トイ(フィーディング・トイ)を与えたり、自動給餌機を使ってみるのもおすすめです。知育トイは、購入しても全く使ってもらえず涙を飲むことがあるので、まずはペットボトルやラップの芯などで手作りして、愛猫が空腹な時に与えて使ってもらえるかどうか試してみるのもお勧めです。
『遊んで』、『かまって』と鳴く場合は、朝晩に愛猫と触れ合う時間を設け、毎日たっぷり遊んであげると、その時間まで待ってくれるようになることがあります。待っている間、愛猫が退屈しないよう、窓辺に快適な場所を作り、外が見られるようにしておきましょう。窓辺の代わりに、TVやPCなどで猫が興味を持ちそうな動画を流してあげるのもお勧めです。
時には専門家に相談を
環境変化などでストレスが強くかかっているようであれば、愛猫が心地よく過ごせる環境を整えましょう。不安やストレスを軽減させてあげるため、適度に遊ばせたり、ブラッシングしたりと、スキンシップを増やしてあげるのも。
あまりにストレスが強い時には、お薬の手助けが必要なこともあるので、動物行動学を専門としている動物病院に相談してみましょう。
もし、発情期に鳴きやまなくて困っているのであれば、避妊・去勢手術を受けさせると、次第に鳴く頻度が少なくなってくることがあります。また、雌猫であればお薬で発情をコントロールできることもあります。手術やお薬のメリット・デメリットについては、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
鳴き声がおかしい時は?
同居動物や家族を失った時、逆に家族が増えた時や、引っ越しした時など、突然環境が変化した場合、そのストレスからよく鳴くことがあります。
[思い当たるストレスがなく、発情時期でも、子猫の声変わりでもないのに、鳴き声が急に変わったと感じた時は、愛猫の体に異常が起こっているのかもしれません。
鳴く状況によっては病気の可能性も
排泄時に唸ったり、呻いたり、悲鳴をあげたりするようであれば、便秘や下痢、膀胱炎、尿路結石などの疑いがあります。毎回、適切な排泄量か、色は正常かなど、排泄物の状態をチェックしましょう。
また、ご飯を食べている最中に短く悲鳴をあげるようであれば、口内炎や歯周病、口腔内腫瘍など、口の中に異常があるのかもしれません。悲鳴を上げていなくても、食欲がいつもより減っていたり、食べ方がいつもと違うようであれば、口の中の様子を見てあげてください。口を開けるのが難しい場合は、口臭がきつくなっていないか、よだれがでていないか、確認してみましょう。
目では確認できないところに異常があり、鳴き方がおかしくなっている可能性もあります。 突然、「ワオワオワオ」と呻いたり、お腹を丸めてじっとして小刻みに震えている場合、吐き気や腹痛があるのかもしれません。
また、「ギャーッ」と悲鳴をあげ、その後愛猫の動きがおかしい場合は、骨折や外傷、あるいは体内のどこかで出血や血栓症が起こっている恐れも。特に、中年齢から高年齢の猫では慢性腎臓病から高血圧を生じやすいので注意が必要です。
普段より頻繁に鳴くようになり、以上のような鳴く理由が見当たらない時は、甲状腺機能亢進症や認知機能障害、脳内腫瘍といった可能性もでてきます。これらも中年齢から高年齢の猫での罹患率が高いため、やはり注意が必要です。
鳴き声や鳴き方が普段と違うと思った時、また、なんらかの症状が少しでもある場合は、動物病院を受診しましょう。 愛猫の鳴き方や様子を動画で撮影し、動物病院を受診した際に担当獣医師に見てもらうと、診断の一助となることがあります。
鳴かずに耐える猫も
猫も人間と同じように、身体に不調がある際、声に出して訴えるタイプと声も出さずにじっと耐えるタイプがいます。鳴き方がおかしくなくても、何か普段と明らかに異なる様子があれば、早め早めに受診して異常がないかを調べてあげましょう。
まとめ
100種の音声を持つと言われているくらい、猫という種族はその時々で色々な声を出し、個体によって鳴き声はソプラノだったりアルトだったりと様々です。その多彩な声を使って、猫たちは人間とコミュニケーションを取ろうと日々学習しているようです。
私たち人間も、猫たちをよく観察し、「ミャ―/ニャー」がその時々、どんな気持ちを表しているのかを、しぐさや表情といったボディランゲージと合わせて理解を深めていきましょう。
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