今は親として子供に口酸っぱく注意する側でも、全員が我が子に自慢できるような生き方をしていたわけではありませんよね。実際には子供には絶対言えない若かりし頃を過ごしてきた方もいるのではないでしょうか。
写真はイメージです(以下同じ)
「すべて子供のためを思ってのことですけど、娘たちにとっては口うるさい母親だと思います。まあ、はっきり言って私の場合、10代のころは人から後ろ指さされるような生き方をしてきたし、完全に自分のことは棚に上げていますけど。だってそうしないと、とても人の親なんて務まりませんから」
そう苦笑いしながら話すのは、2人の娘さんを持つ美島芳恵さん(仮名・46歳)。でも、子供にも明かせない過去とは一体どんな黒歴史なのでしょうか?
娘に厳しい母親は、元レディースの不良
「改めてこんなことを話すと顔から火が出るほど恥ずかしいですけど、中学高校とかなり素行が悪くて親にも迷惑をかけていたんです。
当時、私は地元のレディースに所属していて毎日のように深夜徘徊や暴走行為を繰り返していました。しかも、友達や先輩の家の泊まり歩き、家にはたまに着替えを取りに戻るくらい。親と顔を合わせれば悪態をつき、話をすることもほとんどありませんでした」
『チャンプロード 2014年 12月号』笠倉出版社
しかも、補導歴は何度もあり、そのたびに母親が警察署に引き取りにやってきたとか。少年課のお巡りさんからも顔と名前を憶えられていたといいます。
「田舎でしたし、私が10代のころはアムラーやコギャルブームの時代のさらに前。今みたいに制服のスカートを短く着こなすって考えそのものがなくて、当時の自分みたいな反抗的な生徒はスカートの丈を伸ばすが自己主張でした。
私も地面にくっつくんじゃないかなってスレスレの長さにしたロングスカート仕様の制服を着て学校に通っていました。だから、中学高校時代の写真は長いこと娘たちにはほとんど見せられませんでした」
実は、夫も元暴走族の元ヤン夫婦
確かに、昔そんな不良少女丸出しの格好をしていたのが娘さんに知られたら母親の威厳なんて一瞬で吹っ飛んでしまうでしょう。ただし、彼女のそんな過去を夫は全部知っているそうです。
「だって彼も元暴走族だから(笑)。同じ地元の族のメンバーで、当時からの付き合いなんです」
ちなみに夫と付き合い始めたのは、芳恵さんがレディースを卒業する1年ほど前の高校時代のこと。その後はお互い不良の世界から足を洗っても交際を続け、22歳で結婚。つまり、2人はいわゆる元ヤン夫婦というわけです。
「建設関連業をしている旦那は、今でもいかにも元ヤンみたいな風貌とオーラを出しています。それでも彼は私と一緒で『父親としての威厳が……』ってずっと隠そうとしていましたけどね」