肉野菜炒めがドーンと乗った混ぜそば
桜井未華子さん(仮名・32歳・派遣社員)は月に何度か、実家に母(56歳)の様子を見に行っています。
「3年前に父が亡くなり、1人で暮らすようになった母が心配だからというのもありますが、単に私が、母の作るご飯が恋しくなって遊びに行っているだけかもしれません(笑)電車で40分程度の距離で近いのもあります」
いつものように帰ってみると、お母さんが「最近これにハマっているのよね」と“混ぜそば”を出してくれたそう。
「混ぜそばって、私の中では卵黄や、ニラの刻んだのや、そぼろみたいなのが綺麗にのせてあるイメージだったのですが…母の作ったやつは肉野菜炒めがドーンとのっていたんですよね」
未華子さんは、きっとお母さんはお店で本当の混ぜそばを食べたことがないので、適当に残りものの肉野菜炒めと一緒にだしてきたのかなと思いました。
「母は最近スーパーによく並んでいる市販の混ぜそば(麺を茹でて、タレを絡めるタイプ)の種類があまりに豊富なので、片っ端から食べてみたそうなんです。そしたらそれぞれに味がかなり違うことが面白く感じ、自分の好みに合うものを探したらしくって」
そしてたどり着いたのが『鶏白湯まぜそば(シマダヤ)』で、お母さん的に最高のトッピングだと思ったのが“肉野菜炒め”でした。
自由な発想に「母、やるな」
「食べてみたら、まったりした鶏白湯のタレがが絡んだモチモチ麺と、シンプルな塩胡椒味のシャキシャキ肉野菜炒めが凄く合うんですよ!母、やるなと思いました」
未華子さんは「自分だったらパッケージの写真をマネして無難なトッピングをするだけで、こんな風に自由にできないな」と感じたそう。
「母が自分の好みを追求して、楽しそうに混ぜそばを食べている姿を見て、何だか元気をもらったんですよね。それに比べて私ってちょっと枠にとらわれ過ぎているなって感じて」
「もっと生活の中に楽しみを見出して、好き勝手にしてみようかな」と心が少し軽くなったそうです。
<文・イラスト/鈴木詩子> 鈴木詩子 漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
提供・女子SPA!
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