南米チリの太平洋側に位置する世界遺産都市「バルパライソ」は、急な斜面の丘陵にへばり付くように家々がひしめき合っています。それらの壁はカラフルに彩られ、散策の楽しい街です。
南米チリ第二の都市バルパライソ
バルパライソ(Valparaíso)は、首都サンティアゴから120kmの太平洋に面したチリ第二の大都市です。
スペイン植民地時代、バルパライソはわずか2、3軒の家や教会があるだけの小さな村でしたが、スペインからの独立後にマゼラン海峡やホーン岬を経由して南米大陸を廻る船の経由地となり、重要な主要港となりました。
貿易港、軍港として発展し、ヨーロッパの移民も多く受け入れてきたこともあり、丘の上の美しい街並みにはコロニアル様式の建築物が目立ちます。
バルパライソは現地の言葉で「天国の谷」という意味です。天国の谷(バル=谷、パライソ=天国)。その名の通り、少しの平地以外は切り立った丘が多くの谷を形成しています。
世界遺産のカラフルタウン
入り江を囲むように丘の斜面に立ち並ぶ家々は、カラフルな単色や描かれたデザインに溢れています。
「バルパライソの海港都市とその歴史的な町並み」として、2003年に世界遺産に登録されました。
カラフルタウンになる以前は、とても治安の悪かったバルパライソですが、家々をカラフルにデザインしていくようになり、雰囲気はガラリと変わったよう。
電柱にまで絵が描かれていますよ。
これらのデザインが芸術なのか否かは議論の余地あり、ただの落書きと思われるものもありますが、それも含め、眺めながら散策するのも楽しい街です。
ケーブルカー「アセンソール」
バルパライソには、港を囲うように40以上の丘があります。
急な斜面ばかりが目立ち、そこを登っていくバスはスローで歩いた方が早いほど。
丘陵がいくつも連なり、あまりにも急坂ばかりですが、ご安心を。「アセンソール」と呼ばれるケーブルカーが数か所設置され、丘の上下を繋いています。昔ながらの木作りで、50度を越える傾斜を重力のみで昇降します。19世紀から市民の足として利用されています。