藤城清治の名前を知らなくても、彼の作品は誰もが何処かで、一度は目にしたことがあるはず。美しい光と色で作りだされる幻想的な世界。そのファンタジーな世界は、「藤城清治美術館」の敷地に一歩、足を踏みいれた時から広がります。藤城氏が息を吹き込んだ影絵たちに、逢いに行ってみませんか?

藤城清治氏という人物

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

藤城氏は、キャラクター「ケロヨン」の原作者としても知られています。ケロヨンは、1966年からテレビで放送されていた『木馬座アワー』のキャラクターです。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

NHKで放映された『みんなの歌』の映像、絵本の挿絵やカレンダーなどで、影絵の作品を目にしたことがある方は、多いのではないでしょうか?影絵劇『銀河鉄道の夜』で、国際演劇参加読売児童演劇祭奨励賞や日本ユネスコ協会連盟賞を受賞するなど活躍されてきました。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

2016年で92歳を迎える藤城氏は、現在も精力的に制作活動を続けられており、毎年、全国数か所で作品の展覧会が開催されています。

那須高原ならではの作品群

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

藤城氏の70年を越える制作活動の集大成として、那須高原に開館した「藤城清治美術館 那須高原」。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

森の中に建つ美術館は、エントランスに足を踏み入れたとたん、藤城ワールドに包まれるのです。藤城作品でおなじみの影絵の子猫たちが、美術館へと道案内をしてくれます。

敷地内のチャペル

敷地内には、影絵のステンドグラスがはめ込まれたチャペルも建っています。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)
森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

ここでは、結婚式も行えるそうです。人魚姫などの物語がステンドグラスによって、柔らかい光を作りだし、幻想的な空間を作りだしています。こんな場所で永遠の愛を誓えたら、素敵ですね。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

館内も見ごたえあり

館内は、照明を落とした神秘的な空間で、代表作や名作をはじめ、モノクロ作品や初公開作品など140点ほどが展示されており、順路に沿って進んでいくと、作成年順に作品を鑑賞できるようになっています。

展示方法が大変工夫されていて、空間に影絵作品が映し出されるプロジェクションマッピングや、テレビ用セットの裏側を見ることができる影絵劇の回転舞台など、テレビ番組の撮影に関わった藤城氏ならではの演出方法は、見れば見るほど引き込まれてしまいます。

特に注目を集める作品は、「魔法の森に燃える再生の炎」です。横幅が6メートルもある大作で、作品のそばにある巨大水槽と、鏡の反射を利用した展示方法がとても幻想的な空間です。ゆらめく影絵の色彩は、見る者を魔法の森へと誘います。

また藤城氏が実際に被災地に行き、スケッチをして制作された「東日本大震災の被災地を描いた影絵」も、多くの来場者を魅了する作品です。2階の展示室には、藤城氏のアトリエが再現されていて、デッサンや貴重な資料、作成過程も垣間見ることができます。

森の奥は影絵の聖地【栃木】藤城清治美術館
(画像=Olive トリップノートより引用)

展示室は撮影禁止ですが、今まで作品を知らなかった方でも、大人から子供まで、十分に楽しめる美術館です。