洋服の「廃棄ゼロ」を目指して運営
商品の状態だけでなく、特に「SELFURUGI」がこだわるのが、服の廃棄。
「アパレル業界は環境負荷でいうと、1位2位を争うほどCO2の排出量が多い産業。服の大量廃棄は大きな問題です。私たちは廃棄予定の古着をまとめて販売することで環境に貢献し、私たち自身も廃棄ゼロを目指して店舗運営をしています。 だからこそ、自分たちの目でしっかりチェックして選んだ商品だけを仕入れて、必要な人にお届けできるようにしています」(南雲さん)
アウトドアブランドなどのお高めなアイテムも、手ごろなお値段で手に入ってしまう!
古着の仕入れの方法には、海外から質を問わずに安く大量に仕入れるやり方もあるそう。しかし、その半分はほぼ売り物にならず、廃棄になってしまうのだとか。結局廃棄のコストやクリーニング代が発生し、商品を安く売ることが難しくなることもあるそう。
その分、「SELFURUGI」はクリーニング済みの売れる物だけを仕入れているので、結果的に商品を安く提供することができるのです。
ちなみに、もし今後在庫となってしまった衣服は、「認定NPOブリッジ エーシア ジャパン」が運営する古着リサイクルプログラム「フルクル」を通して寄付するのだとか。衣服の廃棄ゼロを徹底的に目指しているのですね。
無人なのになぜか温かい。“人感”を感じさせる店舗づくり
さて、「SELFURUGI」の最大の特徴はやはり「無人である」ということ。そもそもなぜ無人なのでしょうか。
「無人運営にした理由は大きく2つあります。1つはやはりコロナ禍という世の中の状況があります。非接触非対応で安心してお客様にお買い物をしていただきたいと考えて、無人にしました。 あともう1つは、スタッフのリソース不足でした。今も少人数で運営していて、副業として関わっているスタッフもいます。できる限り工数をかけないような運営方法ということで、無人販売になったんです」
とはいえ、店舗に来ると、なぜか無人という感じがしないのが不思議なところ。もちろん店員さんはいないのですが、軽快な音楽と白と黄色を基調とした明るい店内、そして店の奥にある「コミュニケーションボード」が“人感”を醸し出してくれています。
学校の連絡ボードを思わせる、どこか懐かしいコミュニケーションボード
「コミュニケーションボードでお客様の声を伺って、その名の通りコミュニケーションを取るために設置しました。書いていただいたご意見には、一つ一つお返事を書かせていただいています。こんな感じで、無人だけど“人感”を出せるような仕掛けをこれからも増やしていきたいと思っています」(熊谷さん)
なるほど、人がいないのになんだかホッとするのは、こういった細かい工夫や気配りがあるからなのですね。