尚仁沢湧水は栃木県塩谷町に位置し、名水百選のひとつに選ばれています。スタートの駐車場からゴールの湧水地まで約30分のプチ登山で、気持ちのよい森散策が楽しめます。透明感抜群の尚仁沢湧水の魅力を隅々までお伝えしていきます!
尚仁沢(しょうじんざわ)湧水とは?
名水百選に選ばれている!
尚仁沢湧水は、栃木県塩谷町に位置します。日光市が隣接しており、自然が豊かなエリアです。昭和60年当時の環境庁より、「水環境保全状況が極めて優良である」として、全国名水百選の認定を受けています。
ちなみに「名水百選」とは、全国に多くの形態で存在する清澄な水について、啓蒙普及・水質保全強化等を目的に、昭和60年3月、全国各地100か所の湧水や河川を選定したものです。
平成20年には、地域住民等による水環境の主体的・持続的な保全活動が行われているものを「平成の名水百選」と認定し、新たに100か所が追加されています。
四季を通じて水温が11度前後!
尚仁沢湧水は、樹齢数百年にも及ぶ原生林に覆われた高原山(たかはらやま)の中腹にあり、十数か所から水が湧き出ています。
四季を通じて水温が11度前後と安定しており、渇水や凍結の心配なく、生命に潤いを提供しています。
登山の様子
それでは、さっそく湧水地までの登山の様子をお伝えしていきます!駐車場のスタートから見どころを前半、中盤、後半の三つに区切ってご紹介します。
前半「木のトンネル!」
まずは、登山口近くの駐車場に車を停めます。看板がありますが分かりにくいため、見落とさないようご注意下さい。お手洗いも駐車場以降ありませんので、こちらでお済ませすることをおすすめします。
登山口には、「一般車両通行止め」のバーがありますが、これを越えて進んでいきましょう。しばらくは舗装された道が続きます。
少し歩くとダムのようなものが見えてきます。さらに道なりに進むと、看板が見えてきますので、いよいよ山の中へ突入です。
緑が美しく、まるでトトロが出てきそうな雰囲気です。木のトンネルをくぐり抜け、長い階段を下るなど、楽しいルートです。
中盤「この青を待っていた!」
長い階段を下り終えると、橋が見えてきます。そこから見下ろすと、ひときわ青い尚仁沢川を眺めることができます。さらに進むと川の近くまで降りてきます。
透明感が素晴らしいです。流れが緩やかで水が溜まっているところは、エメラルドブルーのような色合いをしています。
途中歩きやすいように、木の板で道が作られている場所もあります。また、上流に近付けば近付くほど、苔むした岩々が増えてきます。
後半「秘境もクライマックス!」
いよいよゴール地点まで迫ってきました。段々と水の量も増えていっています。数か所から湧き出る水の上には、アーチ型の橋が架けられています。
原生林が美しく、緑と水の調和した風景を楽しむことができます。
倒木にも苔が生していて、風情のある様子です。
ぱっと開けた森に出るとそこはもう湧水地のゴール地点です。木の根っこ部分からこんこんと水が湧き出ている様子をみることができます。
尚仁沢湧水は、弱アルカリ性の軟水で、一日に65,000トンも水が湧き出るとされています。
ここまでの道のりは、約30分~1時間程度です。帰りは同じルートを戻りましょう。途中、黄色い木苺も見つけることができました。
いかがでしたでしょうか?尚仁沢湧水は、透明度の高い湧水と原生林が美しい、心癒されるパワースポットです。
道の駅「湧水の郷しおや」
つぎに尚仁沢湧水から車で30分程度の場所にある、道の駅をご紹介します。尚仁沢湧水散策前後におすすめです。
名水を使ったお蕎麦を食べよう!
農村レストラン「そば処かみざくら」で提供されるお蕎麦には、尚仁沢の名水が使用されています。そば粉は地元産のものを使っているそうです。
注文方法は事前に食券を購入するシステムです。
筆者は田舎そば(650円)を注文しました。歯ごたえがしっかりとあり、舌触りもちょうどよく、味わい深い本格的なお蕎麦です。
天もりそば(900円)には、地元野菜が使われた天ぷらがたっぷりついてきます。田舎そばと違い、麺は石臼挽きの湧水そばで、艶やかな色合いと舌触りです。