恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表で、これまで1200人以上の恋愛相談に耳を傾け、そこから見える恋愛とジェンダーの問題についてコラムやラジオで発信してきた清田隆之さん。 清田さんの最新作『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』から東京大学の学生・有村隼人さん(仮名)のインタビューの2回目をお届けします。

東大男子が語る、終わらない競争「スペックのかけ算では僕は負けてない」
(画像=『女子SPA!』より引用)

自慢話でも武勇伝でもない東大合格に向けてストイックに勉強した高校3年間が全く通用せず、現役では不合格になってしまった有村さん。一浪を経て東大に「余裕の合格」を果たしたという有村さんは、どのような浪人生活を過ごしたのでしょうか(以下、同書よりインタビューを抜粋。4回シリーズの#2)。

【1回目を読む】⇒東大生男子が語ったガリ勉人生 「東大以外なら負け」だった

浪人時代は、坊主頭にして服も同じものに

現役時代は結局すべての私立に落ち、東大の2次試験ももちろん不合格で、予備校に通いながら浪人生活を送ることになりました。そこで最初に見直したのが生活習慣です。 現役時代の僕は無理をしすぎていたというか、常に眠かったり疲れていたりで、勉強していてもちゃんと頭に入っていない部分が正直あった。そこで1日8時間は睡眠を確保し、予備校でも昼休みにしっかり仮眠を取るようにしたところ、集中力が飛躍的に向上しました。

東大男子が語る、終わらない競争「スペックのかけ算では僕は負けてない」
(画像=『女子SPA!』より引用)

画像はイメージです

また、頭を坊主にし、服も曜日ごとのローテーションを決めるなど、勉強以外のことはなるべく考えないで済むような工夫もしました。脳のリソースの節約という感じですね。

ただ、予備校を生きやすい環境にするための人付き合いはちゃんとやりました。いつもひとりぼっちというのもよくないし、情報交換も受験生には大事なことなので、同じ東大コースの仲間と友達になって。

開成や筑駒の人に最初はビビっていた

僕が通っていたのは都内の予備校だったんですが、同じ教室には開成、麻布、筑波大駒場など名だたる名門校の出身者も数多く在籍していて、そういう人たちと机を並べている事実に最初は少しビビっていました。中には、小学生の頃から全国模試の上位者としてしょっちゅう名前を見かけていた受験界の有名人もいたりして、「おお、この人が!」って思ったり(笑)。

あと、僕はずっと共学育ちでしたが、開成とか麻布とか、男子校出身者たちの独特のノリに戸惑いを感じた部分もありました。なんだかやたら主張が強かったり、仲間と下ネタで盛り上がったり。あと二人称が「お前」っていうのもびっくりでしたね。