フランスでは2019年の秋から、幼稚園も義務教育に加わりました。3歳になる年の9月からが幼稚園のスタート。同じ年に生まれた子どもたちがいっせいに年少クラスに入ります。日本と比べると、「早生まれ」は別として半年早く幼稚園生活が始まる感じですね。年少クラスから3年間が幼稚園教育となります。
日本ではもうすぐ入学入園の季節。そこで今回は、普段なかなかのぞくことのない世界、フランスの幼稚園についてご紹介したいと思います。
想像以上に“しっかり”しているフランスの幼稚園
学校によって細かい違いはありますが、幼稚園は基本、朝8時半から16時半まで。日本の幼稚園に比べたらかなり長いですよね。16時半以降も「預かり保育」のような形で遅い時間まで預かってもらえます。
息子は現在4歳で幼稚園の2年目(年中クラス)が半分終わったところ。定期的にクラスに張り付いて撮影させてもらい1日の流れや様子を実際に見ているのですが、フランスの幼稚園は思っていた以上にちゃんとしているのです!「ちゃんとしている」なんて言い方失礼ですが(笑)、入学式も終業式も運動会も文化祭もないフランスの学校。周りとの協調制を求められ集団行動重視な日本に比べ、フランスは自由で個人主義で、勝手に自由気ままなイメージを持っていました。でも実際に潜入してみたら1日たくさんのことを学んでいて驚きました。
フランスの幼稚園は「école maternelle」(エコール・マテルネル)と「エコール」(=学校)という言葉がついて「学校」と表現されることにすごく納得したのでした。
少人数のチームに分かれて、学んだり遊んだり
教室の中は、課題をしたり絵を書いたり座って作業をするコーナー以外に、本を読むコーナー、遊びをするコーナー、みんなで輪になって座るコーナー、静かな時間を過ごすコーナー(例えば騒いで怒られた時など一人で「静かコーナー」にしばらく座らされたりします)など、異なる空間が作られています。子ども達は少人数のグループに分けられ、その空間を時間ごとに有効に使っています。
例えばクラスの4分の1が課題をする、4分の1はパズルをする、4分の1には語彙を増やすための言葉ゲームをする、4分の1には自由に静かに遊ぶ…という感じです。先生の話を聞いて言葉やアルファベットの勉強をしたり、週末あったことをみんなで発表したりという全員一緒の時間もありつつ、絵を描いたり工作をしたりというちょっと複雑な製作物のようなものはあえて小さなグループで順番に行うことで先生の目が行き届くようにしているようです。
全員で過ごす時間は教室の真ん中にある机とテーブルに座ってということもあれば、教室の片隅に並べてある椅子にみんなで円形になってということもあり、また別の片隅の床に直接座ってということも。同じ教室の中でもシチュエーションを変えることで、子どもたちの気分を変えて集中力が続くように工夫しているのもおもしろいなと思いました。
子ども達のリュックには必ず「ドゥドゥ」?
幼稚園生は大抵小さなリュックサックを背負って登園。といっても持ち物はとても少なく、先生との連絡ノート、週の初めに給食用のナプキン、あとは子どもにとっていちばん大切な「ドゥドゥ」と呼ばれるぬいぐるみくらい。フランスの子どもたちは赤ちゃんの頃から「ドゥドゥ」というお気に入りのぬいぐるみ(もしくはタオルやママのシャツなんていう子も)を持って寝るので幼稚園のお昼寝時間にも必須アイテムなのです。
フランスの幼稚園は、日本の保育園のように過ごす時間も長いので、小さなうちはランチの後にお昼寝タイムもあるのです。年中クラスの息子たちは、お昼寝したい子だけがしているようです。それでもみんな毎日大切な「ドゥドゥ」をリュックに詰めて登園しています。
フランスの幼稚園や小学校は、日本から比べたらまだまだ違うことや興味深いこともたくさん!今日は紹介しきれなかった給食や休み時間の様子もまたいつかご紹介したいと思います。
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