ブルターニュの玄関口「Rennes(レンヌ)」は、アートと歴史建造物も見どころの街。今回はレンヌで訪れたアートスポット、歴史建造物をご紹介します。
ブルターニュゆかりの実業家ピノーによるアートコレクション
世界有数の現代アートコレクターとして名高いフランスの実業家フランソワ・ピノー。彼の個人所有のアートが「ピノーコレクション」です。60年代から現在までさまざまなメディアのアートを蒐集しています。
実は、ピノーはレンヌのあるブルターニュ地方のイル・エ・ヴィレーヌ県の出身。ピノーのコレクションの絵が初めて売れたのもレンヌなのだそう。
そんな彼と縁が深いこの地で「白と黒」をテーマにした展覧会が開催されていました。今回はその展覧会の模様をレポートします。
白と黒と聞いて連想するものはなんでしょうか?みなさんそれぞれに連想するイメージがあるかもしれません。
今回の展覧会の狙いはそういった「白と黒」が持つアイデアやパワーを考え直す機会を与えることだそう。恋人たちの像は、白という色の持つ、純粋さを表現した作品です。それに対して、右の作品は黒という色の持つ恐ろしさや悲しみを表しているようです。2つの作品とも対照的で、白と黒の色の持つ典型的なイメージを表現した作品となっています。
こちらの作品は「pluie noire(黒い雨)」というもの。黒いドリルやスクリューが地面から生えているような、一際目を引く作品。黒い雨が降った後の地面からはこんな無機質なものしか生まれないといったメッセージなのか、それとも黒い雨を逆さに模したイメージなのか…想像力をかきたてられる作品でした。
サッカー選手のジダンが試合中に頭突きした瞬間を切り取ったセンセーショナルな作品。黒の持つ悲しみ、怒り、憤りなどを瞬間的に感じることができる作品です。館内にいるフランス人のほとんども足を止めてまじまじと作品を眺めていました。
レンヌ滞在で泊まりたい木組みのホテル
レンヌの街ではアートのほか、歴史のあるコロンバージュ(木骨構造の建築)も見どころのひとつ。外観の趣はもちろん、内観も美しく、住める美術作品とはまさにこのこと!旅行で訪れる際におすすめなのがコロンバージュのホテル。
今回は、『HOTEL MARNIE and MISTER H(オテル マーニー アンド ミスターアッシュ)』というホテルに滞在しました。
ロビーには大きな暖炉が。インテリアも細部まで凝っていて、洗練されたかわいさとモダンさを感じる空間です。
壁紙もこんなにキュート!朝食もかわいくて目にもおいしいラインナップなんです。
お部屋の内装もそれぞれまったく違うデザインでとっても素敵。「こんなお部屋に暮らしたい…」とうっとりしてしまいました。
美しすぎる裁判所「ブルターニュ高等法院」
もうひとつ、レンヌを訪れたらぜひ行ってみてほしい歴史的建造物のひとつが『ブルターニュ高等法院(le Parlement de Bretagne)」です。フランス革命以前のブルターニュの栄光を感じる建造物です。
美術館とは違い、建築物はそれ自体が作品。歴史的背景を学ぶと、その価値により一層気づかされます。見学の際はガイドさんをつけることをぜひおすすめします!
1720年の大火事によって大きな被害に遭ったレンヌの街。これによりブルターニュ高等法院の周辺も被害を受け、現在の石造りの姿になりました。また、1994年に再び火事に見舞われ建築物の一部が被害に遭いますが、最新の復旧技術で当時の美しさを再現できています。写真左は大火を免れた、エントランスの扉。
この美しい「ブルターニュ高等法院」ですが、現在も高等裁判所として使われている施設。裁判所は一般的に公に見学を許される場所ではないため、本来は見学できないのですが、こちらの裁判所については歴史的な価値があるため見学を許されているのだそう。
大広間には美しい天井画が!こちらを手掛けたのは王立絵画アカデミーの創設者の1人であったシャルル・エラール(Charles Errard)とその弟子。絵のひとつひとつにも宗教的、司法的な意味が込められているそうです。
きらびやかな空間がインパクト大!「聖ピーター大聖堂」
外観は荘厳な雰囲気で、ぱっと見はそこまで華やかな印象ではないこちらの建物。一歩中に入ると…
きらびやかな美しい空間が広がっていました!
フランスの建築ではあまり見かけない褐色の色味がふんだんに使われたローマ様式の内装が目を惹きます。豪華絢爛というよりは厳かな雰囲気が印象的。色味のせいなのか日本のお寺にも通じる雰囲気で、個人的にはとても落ち着く大聖堂でした。
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パリから2時間弱の場所にあるレンヌ。アートに建築に見どころいっぱいのエリアです。まだまだ気軽に海外旅行をしづらい時期ですが、このレポートで少しレンヌ旅行気分を味わっていただけたら幸いです。
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