「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する識学は、企業に勤める20歳~59歳の男女300人に「中途採用に関する調査」を実施。
その結果、転職後に「こんなはずではなかった」と感じている人が約7割いることがわかった。
また、転職において後悔・失敗を防ぐため、選考段階では「実際の給与額」「職務内容」「経営状態」を事前に確認した方が良いということがわかった。
「こんなはずではなかった」は人間関係や待遇面から
同調査において、転職後に後悔・失敗したと感じたこととして上位に入った回答は、「組織の文化・風土が合わない」「思ったより給与が低い」「上司との人間関係」「思ったより残業が多い」といった人間関係や待遇に関する項目。
特に、給与や福利厚生などの待遇面については、転職において重視される傾向があるが、それに魅力を感じて入社した人が、期待と現実のギャップに「こんなはずではなかった」と感じるケースが多いのかもしれない。
期待と現実のギャップが発生する理由
この期待と現実のギャップはなぜ発生するか? それは、採用者側と転職者側の間に「認識のズレ」が発生するから。
採用する企業は、自社をよく見せようと、あえて曖昧な言葉を使って求人情報を記載することがある。
実際に、同調査においても、「怪しいかもしれない(甘い誘い文句だ、裏がありそうだ)」という求人情報の言葉の上位に、「アットホームな会社」「自由な社風」「やりがいのある仕事」といった、人によって解釈の余地がある“感覚的”な言葉が複数入っていた。
解釈の余地があるということは、採用者側と転職者側で認識のズレが発生する可能性があるということ。その認識のズレが「こんなはずではなかった」と感じる原因になる。
なお、最も多かった回答が「幅が広すぎる“給与額応相談” (400万~1200万など)」となった。
数値や事実を取りにいくことが重要
では、認識のズレを防ぐ方法は何か? ポイントは、数値や事実に基づく情報を取りにいくこと。
例えば、求人情報に「結果を出せば昇給」という記載があった場合、「どの仕事でどんな結果を出せばいくら昇給するのか」や「実際にこれまでどれぐらいの人数が昇給したのか」を確認することなどが有効だろう。
もちろん、全ての質問に対して回答してくれるとは限らないが、企業側として本当に欲しい人材なのであれば、聞かれた事柄に対しては、極力答えようとしてくれると考えられる。