佐渡・小木地区では、江戸時代から漁に利用されている「たらい舟」を体験することができます。大人数人が乗れるほどのサイズをオール1本で立ってこぐのはとってもスリリング。さらに、ここでは高速船で「左八文字」「青の洞窟」と呼ばれる海上の絶景にもアクセスできます。
小木海岸のたらい船
小木海岸(おぎかいがん)は新潟県佐渡市の南西部に位置する海岸景勝地。「佐渡小木海岸」として、国の天然記念物及び名勝に指定されています。この小木海岸は「たらい船」を楽しめる場所としても有名です。
たらい船は大人500円で乗船できます。たらい船を操舵するのは地元のお姉さんたち。昔ながらの衣装に身を包み、雲一つない空から日差しが降り注ぐ中、波の上で乗客を待っています。
たらい船が使われているワケ
さて、通常我々が知っている船は、細長く先がとがったタイプですよね。一定の方向に走らせるためには細長いほうが向いていると思うんですが、なぜここではたらい船なんでしょうか。
佐渡の海岸は海底が隆起したもので、海に削られた複雑な地形をしています。普通の船では、船底が海底のデコボコにひっかかってしまうということで、江戸時代に考えられたのが洗濯桶を海に浮かべてみたらどうだろう?というものでした。洗濯桶を人が乗れるサイズにまで大きくして海に浮かべてみたところ、小回りが利き、安定する実用的な船になったそうです。
これ、今は使ってないと思うでしょう?実は実際に今も漁に使っているんだそうですよ(ただし、写真は観光用のもので漁業用よりは大きいそう)。
たらい船に乗船
たらい船は安定した乗り物らしいのですが、普段見慣れた船とはだいぶ異なる様相に、乗客は誰もがおっかなびっくりの様子です。
船の乗降の際には、船頭さんが桟橋の端に垂れ下がったロープを握り、じわじわとタライを乗降口に近づけていきます。このロープ1本で固定されている不安定ななかで乗降するわけです。観光客は「大丈夫ですよ!大丈夫ですよ!」と船頭さんに何度も促され、おっかなびっくりタライに足をのせていました。
操舵体験
乗ってみると確かに安定していて、船というよりも安定した地面に座っている、そんな感じです。
このたらい船は、操舵がめちゃくちゃ難しいそうで、1メートル漕げたら「たらい舟操縦士免許」が発行されるそうですよ(ただし、有料で発行手数料200円かかります)。
ということで船頭さんから「漕いでみますか?」とのお声掛けが。操舵のためには立ち上がる必要がありますが、大人数人が立ってみても、タライは変わらず安定しまたまま。スゴーイ!
こんな感じで、船頭さんが文字通り手取り足取り操作方法を教えてくれます。基本はオールをねじるように、斜め前に動かして水をかいていくのですが、これができない!思うように水をキャッチすることができないのです。結果、その場でジタバタして終わり。免許取得に至る人はまれなようです。このタライ船体験は15分ほどで終了。