東出昌大が14日付で所属事務所・ユマニテとの専属契約を解消されたと15日、同事務所が公式サイトで発表しました。
「2020年1月の東出昌大の不祥事以来2年間にわたって、弊社はさまざまな問題に全力で対処してまいりました。そして、また、彼の俳優としての再生への道も模索してまいりました」「昨年秋、東出の配慮に欠ける行動でその再生への道は頓挫いたしました。
その時 私たちが感じたものは怒りというよりも、徒労感と虚しさでした。そして熟慮の末に、これ以上 共に歩くことはできないという結論に達しました」と同事務所がサイト上で説明しています。
不倫、離婚、事務所と契約解消でフェードアウトか?
今回の事務所との契約解消の件をはじめ、世間では東出を擁護する声は少ないようです。 2020年1月に唐田えりかとの不倫が「週刊文春(2020年1月23日発売号)」によって報じられ際にはもちろん、同年7月に杏と離婚後、昨年10月に地方ロケ中にホテルへ恋人を呼び寄せたことが「週刊文春(2021年10月21日号)」に報じられた際も、厳しい声が多かった東出昌大。このままバッシングとともに芸能界からフェードアウトしてしまうのでしょうか。
そこで、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』などの著書があるドラマライターの田幸和歌子さんに、東出昌大の演技力について聞きました。(以下、田幸さんの寄稿です)
最も愛されている『コンフィデンスマンJP』の「ボクちゃん」
東出さんの演技で、最も愛されているのは、『コンフィデンスマンJP』の「ボクちゃん」でしょう。 様々な手練(てだ)れたちが騙し騙される世界の中で「ボクちゃん」だけは、素直で単純で、騙(だま)されてばかりで、ダー子(長澤まさみ)たちにイジられ、利用され、おもちゃにされる残念可愛い役柄でした。
黒沢清監督とバツグンの相性の良さ
また、抜群に相性が良いのが、黒沢清監督。 『クリーピー 偽りの隣人』では、西島秀俊演じる主人公・高倉の元同僚の刑事で、高倉の隣人(香川照之)に飲み込まれていく重要な役柄を演じました。
善意なのか悪意なのか、不可解かつつかみどころのない存在感は、途中退場する役にもかかわらず、強烈な存在感を残しています。
宇宙人たちよりもヤバい人に見えた『散歩する侵略者』
さらに、『散歩する侵略者』 では、地球を征服するためにやってきた侵略者・真治(松田龍平)たちが「家族」「自分と他人」「仕事」など、「概念」を奪っていく中、最後に残った概念「愛」について問うべく訪れた教会の牧師を演じたのが東出さんでした。
牧師はたくさんの言葉を並べて愛についてつらつらと語ったにもかかわらず、それがまったく響いてきません。真っすぐに見開かれた濁りのない善良な目は、なんだか空っぽで、概念を奪っていく宇宙人たちよりもある意味、ヤバい人に見えました。
スピンオフでも宇宙人役を怪演
と思ったら、そのスピンオフ作品『予兆 散歩する侵略者』では、概念を容赦なくひょうひょうと奪っていく侵略者役を怪演。 空っぽな目をしたヤバい牧師から、今度はさらに感情を全部抜き取った目に変わり、長身と淡々とした無機質な声とで、恐ろしい宇宙人になっていました。