働くママにとって悩ましい、子どもの夜更かし問題。
9時までには寝かしつけたいと思いつつ、実はとっても難しい…。
おかげで自分の寝る時間もまちまちに。
そこで今回は、「寝る時間」をテーマに

・夜更かしよりリスク大!社会的時差ボケって?

・大人と子ども、社会的時差ボケの弊害

・働くママ、社会的時差ボケの予防法

を掘り下げます。

夜更かしよりリスク大!社会的時差ボケって?

最近、話題になっているのが「睡眠の質」。
特に、お子さんがいる働くママなら、自分の睡眠の問題だけでなく、子どもの睡眠についても心配している方は少なくないでしょう。

ママがお仕事している場合、仕事が終わってから子どもを迎えに行って、夕飯を作って食事して、お風呂に、宿題……。
気がつけば、もうこんな時間! なんてことも

そんな日が続くと、寝る時間が遅いのでは……と、自分を責めるママも少なくないようです。

実は、最近の研究では、日常的に寝る時間が遅くなってしまうことより、就寝リズムが乱れていることの方が問題だ、ということが言われ始めています。

それが「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」です。

「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」とは、社会的な時間(日常的な生活リズム)と、体内時計の不一致が要因で不調が起きている状態を指すそうです。

大人も子どもも、平日なら、いくら夜更かししたとしても、翌日は学校や仕事にいかなければならないので、ほぼ同じ時間帯に起床することになります。
結果、寝不足を感じることは珍しくありません。

そこで、学校や仕事がお休みの週末は、ゆっくり寝て寝不足解消! と、考えがちですが、実は起床時間がいつもより遅くなってしまうと、生活リズムにズレが生じてしまいます。

たかが2、3時間程度の数時間のズレじゃない、と考えがちですが、例えば、普段午前7時前後に起床している人が、週末だけ午前10時過ぎに起床していたとします。
これは、毎週、金曜日にインドに飛んで、月曜日に日本に帰国しているのと同じようなものなのだとか。

当人としては、睡眠不足を解消しているつもりなのですが、実際は体内時計が乱れることで、平日の入眠リズムが乱れるなど、悪影響の方が大きいという説もあるくらいです。
では、大人と子どもが、社会的時差ボケ状態に陥ると、どのような悪影響が起こるのでしょうか?

大人と子ども、社会的時差ボケの弊害

社会的時差ボケになってしまうと、いろいろな弊害が出てきます。 大人と子ども、両方の視点から見てみましょう。

<大人の場合>

〇徐々に、朝起きられなくなり、遅刻や欠勤などの社会的な問題が発生する。

〇眠気による不注意、集中力減退により仕事に悪影響を及ぼす。

〇代謝が落ち、肥満、メタボなどの生活習慣病になりやすくなる。

<子どもの場合>

〇朝起きられず、朝食が食べられなくなる。

〇睡眠不足とエネルギー不足により特に午前中、活発に活動することができなくなる。

〇集中力が落ち、学習や知識が身に入らない。

社会的時差ボケの最も大きな弊害は、健康へのリスク。
ある調査では、社会的時差ボケにより、肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高まる、という結果が発表されています。

また、自律神経の乱れなどに繋がることがあるそう。
その結果、体調の悪化、睡眠障害やうつ病など、精神的なダメージを負ってしまう可能性があるとか。

子どもへの影響として楽観視できないのが、学力の低下。
明治薬科大学准教授(心理学)の駒田陽子さんが15年に、ある中学校の生徒386人を対象に行った研究によると、社会的時差ボケが1時間以上ある群と、1時間未満の群で比較してみると、学力テストの偏差値が3ほど低かったそう。

このように、社会的時差ボケは、大人にも子どもにも悪い影響が出ると言われています。

働くママ、社会的時差ボケの予防法

大人にとっても子どもにとっても、リスクが大きい社会的時差ボケ。 どうすれば、社会的時差ボケを防ぐことができるのでしょうか?

ポイントは、大きく2つあります。

1)週末の寝だめ時間を1時間程度に抑える
2)睡眠不足は、ちょっと寝で対処する<br>

週末に睡眠不足を補いたい場合は、いつもの起床時間にプラス1時間程度に設定するのが適当であると言われています。 それ以上の寝だめをしても、根本的な寝不足の解消にはならないことを意識しましょう。

とはいえ、1時間程度の朝寝坊では、ちっとも寝不足が解消できない、と感じることは多々あります。
そこでお勧めしたいのが、ちょこっと寝。

朝は、普段通り起床し、太陽を浴び、朝食をとって体内時計を整えた上で、10~15分程度のちょこっと寝(昼寝)をする、という方法です。

これは週末に限らず、平日でも例えば、昼食の後、椅子に腰掛けた状態で10~15分程度のちょこっと寝(昼寝)をするだけで、睡眠不足解消効果が得られるそう。
平日、週末に限らず、基本的な生活リズムは変えずに、上手に昼寝をすることで、睡眠不足も社会的時差ボケも防止することができます。

現代人の睡眠時間はどんどん減少傾向にあり、7時間以上の睡眠を毎日とれているという人は全体の26.5%と3割以下なのだとか。
とくに忙しいママ世代では睡眠時間を削らなければならないときもあり、平均的な睡眠時間は5~6時間。毎日たっぷり眠れるという人は少ないでしょう。
それでも慢性的な生活リズムの乱れや寝不足は、仕事や健康に悪影響を及ぼすほか、子どもの学力にも影響があります。
できるだけ生活リズムを乱さないよう、心がけたいものです。

提供・しゅふJOBナビ

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