「関門“ノスタルジック”海峡~時の停車場、近代化の記憶~」が日本遺産に登録されたのは、平成29年(2017年)4月のことです。大小さまざまな船が行き交う関門海峡。その異国情緒あふれる景観の中、関門地域には今も、日本が近代国家建設へ向けて躍動した時代のレトロな建造物群が残されています。渡船や海底トンネルを使って両岸を巡れば、そこで出合うことができるのは、映画のワンシーンのようなノスタルジックな街並み。まるで時が停止したかのような、不思議な感覚を味わうことができるでしょう。

小中高生を対象とした学習観光用のコースです。クロスワードを使いながら、北九州市・下関市にある日本遺産を楽しく回り、理解を深めることを目的としています。日本遺産の構成文化財の点在する下関・北九州エリアを網羅することができるのも、このコースの特徴です。参加者は、各スポットで歴史や文化を組み込んだ問題を解き、クロスワードを埋めていきます。クロスワードを完成させると、ある文字が出現します。正解者にはオリジナルのプレゼントをご用意しています。

引用元:関門"ノスタルジック"海峡~時の停車場、近代化の記憶~

モデルコース(所要時間:6時間)

小倉駅出発【10:00】 →貸切バス→ 下関到着(唐戸で下車)【10:40】 →徒歩→ 下関エリアを徒歩観光【10:45~11:30】 下関エリア:旧秋田商会ビル、旧下関英国領事館、日清講和記念館

→貸切バス→ 関門トンネル人道(下関側)【11:45】 →徒歩→ 関門トンネル人道(門司側)【12:00】 →貸切バス→ 門司到着【12:15】 →徒歩→ 門司エリアを徒歩観光&昼食【12:15~14:00】 門司エリア:旧門司三井倶楽部(12:15~13:15 見学・昼食)、九州鉄道記念館、門司港駅

→貸切バス→ 戸畑港【14:30】 →ポンポン船→ 若松港【15:00】 →徒歩→ 若松エリアを徒歩観光【15:00~15:40】 →貸切バス→ 小倉駅【16:00】

若松エリア:石炭会館、旧古河鉱業若松ビル、上野ビル、杤木ビル

旧秋田商会ビル

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治38(1905)年、秋田寅之介が設立した秋田商会は、日清・日露戦争時に飛躍を遂げた総合商社。旧秋田商会ビルは、大正4(1915)年に社屋兼住居として建てられた、国内最初期の鉄筋コンクリート造事務所建築です。1階は洋風建築で、2・3階は書院造を取り入れた和風建築。屋上には、茶室のような離れと樹木を配した庭園があります。時代を先取りした当時最新の設備や意匠などにご注目ください。

旧下関英国領事館

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治34(1901)年に下関初の領事館が開設され、明治39(1906)年に現在地に新築移転。領事館として使うために建設された中では現存最古の建物で、国の重要文化財にも指定されています。赤い煉瓦壁と白い石材の帯が特徴的なクイーン・アン様式が特徴。本館と附属屋の両方が残っているのは珍しく、異国情緒あふれる当時の様子がしのばれます。平成26(2014)年にリニューアルし、1階には領事室を再現。2階は英国風カフェ&パブ、附属屋はギャラリーになっています。

日清講和記念館

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治28(1895)年に下関で行われた日清講和会議を後世に伝えるため、昭和12(1937)年、その舞台となった料亭春帆楼の隣接地に開設された記念館。館内中央に講和会議場となった春帆楼の大広間を当時の調度そのままに再現。実際に使用された椅子や硯、硯箱、フランス製のストーブ、インクポットやペンなどが展示されており、伊藤博文や清国側の李鴻章の遺墨や写真なども紹介されています。

関門トンネル人道

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

昭和33(1958)年に開通した歩行者用の海底トンネル。上には国道(車道)が通っているという、世界的にも珍しい海峡を歩いて渡れる人道です。門司港「めかり」から下関の「みもすそ川」まで、約780m、15分の海底散歩を楽しめます。福岡と山口の県境は写真スポットとしても人気です。

旧門司三井倶楽部 本館、附属屋

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

大正10(1921)年に三井物産の接客施設として谷町に建設。平成2(1990)年に北九州市が譲り受け、現在地に移築しました。接客用の本館は木造2階建てで、ハーフティンバーと呼ばれるヨーロッパの手法を採用。表出した柱や梁などの構造や、当時流行したドイツ壁と呼ばれるモルタル掃付け壁が表情豊かな外観を醸し出しています。屋根葺材や内装、建具など各部で緻密な修復が施されており、竣工直後の大正11(1922)年にアインシュタイン博士夫妻が宿泊した部屋も当時の姿に復元されています。

九州鉄道記念館(旧九州鉄道本社)

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治24(1891)年に建設された九州鉄道会社の本社屋を改修し、平成15(2003)年に開館。館内では九州の鉄道の歴史が紹介されており、屋外にはファン垂涎の保存車両も展示されています。煉瓦造2階建てで、美観に優れた「フランス積み(フランドル積み)」を基調に、一部にイギリス積み、アクセントとして矢筈(やはず)積みを採用。現存する数少ないフランス積み煉瓦建築物としても注目されています。

門司港駅(旧門司駅)本屋

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治24(1891)年、九州鉄道の起点駅として開業した門司駅。現在地の200m離れた所から、大正3(1914)年に移転新築されました。2階建ての駅舎は、モルタル塗りの重厚感あふれるネオ・ルネサンス様式。現役駅舎としては、東京駅と並ぶ貴重な歴史的建造物です。昭和17(1942)年に「門司港駅」と改名。その後、老朽化に伴う保存修理工事を経て、平成31(2019)年3月10日にグランドオープンしました。1階にスターバックス、2階には2代目駅舎開業時を思わせる「みかど食堂(洋食レストラン)」が復活しています。

石炭会館

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

明治38(1905)年に建てられた、若松区内に現存する洋風建築としては最古の建造物。当初は石炭商同業組合の事務所であり、迎賓館や会合などにも利用される公会堂的な役割を担っていました。木造2階建てで石造り風の印象がありますが、外装はモルタル塗。現在はテナントビルとして活用されており、1階にはクロワッサンで人気の「三日月屋」が入居しています。

旧古河鉱業若松ビル

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

石炭の中継地として栄えた若松を代表する近代建築。煉瓦造2階建ての建物は、大正8(1919)年に竣工。3つの隅に配置された塔屋が特徴で、最も高いものはビル4階ほどの高さがあります。塔屋の入口上部はルネサンス様式を基調とし、内部には煉瓦壁や階段、消火栓など当時の面影が数多く残っています。老朽化に伴い一時は解体の危機に陥りましたが、地元住民の保存運動により補修と整備が実現。現在は多目的ホールや会議室が一般利用できるほか、事務室では土産物の販売なども行っています。

上野ビル(旧三菱合資会社若松支店)

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

筑豊炭田からの石炭売買という目的のもと、大正2(1913)年に建てられた三菱合資会社の若松支店。煉瓦造3階建ての本館と、煉瓦造2階建ての倉庫棟、木造平屋建ての分析室といった一連の建築が現存する重要な産業遺産でもあります。見どころは建物内部の吹抜に廻らされた瀟洒な回廊や天井のステンドグラス。テレビCMや映画、ドラマなどのロケ地としても数多く使われています。

杤木ビル

クロスワードで導き出す!日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡」~北九州・下関~
(画像=『あそびのノート』より引用)

造船と船舶代理業を行う杤木商事が、大正9(1920)年に本社として建設した事務所ビル。鉄筋コンクリート造3階建てで、当時としては珍しい半地下室や自家用浄化槽などが備えられています。旧門司三井倶楽部を手がけた建築家・松田昌平による設計で、玄関が道路側と海側の2カ所に設けられているのもユニークな特徴。現在は雑居ビルとして利用されています。

若戸渡船

古くから「ポンポン船」の愛称で親しまれてきた、若松と戸畑を結ぶ渡船。直線距離でわずか400mの航路ですが、若戸大橋の開通以降も両岸の人と文化をつなぐ地域のシンボルです。

提供・あそびのノート

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