「転職や独立は、出産後の方がいいの?」
「いつ結婚、妊娠するか分からないからキャリアプランが描けない」
こんな質問やご相談をいただくことがあります。
結婚、出産など、人生における大きな出来事を「ライフイベント」と呼びますが、これらをキャリアにおいてどうとらえ、どうプランニングしていくかは女性にとって非常に難しいものです。
なぜなら、価値観が多様化する中で、ライフイベントのあり方も多様化してきているから。結婚する・しない、子どもを産む・産まない、どちらの選択もあり得ます。
多様化する現代人のライフスタイル。30代前半で女性の未婚率は30%超
例えば、就職に関しては96%の大学生が就職します(※1)が、一方で結婚や出産となるとどうでしょうか?
下図を見てみてください。こちらは年齢別の未婚率(結婚したことがない人の割合)のデータです。
2015年の時点で30歳~34歳の男性のうち47.1%、女性は34.6%が未婚となっています。
1990年まで時代をさかのぼると、同年代の男性の未婚率は32.8%、女性は13.9%でしたから、時代を追うごとに年代ごとの未婚率が高くなってきていることが分かります。
50歳時の未婚割合についても年々上昇が続いていて、男性の23.4%、女性の14.1%が未婚となっています。
この割合はさらに上昇が予測されており、2040年時点で50歳男性の29.5%、女性の18.7%が未婚と推計されています(下図)。
結婚する場合も平均初婚年齢は上昇が続いています。
第一子出生時の母親の平均年齢は1980年に26.4歳であったものが、2011年には30歳を超え、2016年には30.7歳です(※2)。また、東京都内に関して言うと全国平均よりさらに高く、第一子出生時の母親の平均年齢は32.3 歳となっています(※3)。
私は38歳で結婚、2018年に39歳で出産したので高齢出産でしたが、出産した都内の病院では同世代のママさんが決してめずらしくはありませんでした。
夫婦の約2.9組に1組が「不妊を心配した」経験あり
また、晩婚化が進むにつれて、不妊治療中の人も増えています。日本では不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は18.2%となり、これは夫婦全体の約5.5組に1組にあたります。
不妊を心配したことがある夫婦は35.0%となり、これは夫婦全体の約2.9組に1組にあたります(※4)。
しかしながら、不妊治療と仕事を両立できない人は厚生労働省の資料によれば3割以上にのぼっており、社会的な問題となっています。