主婦が再就職をする時、気になるのは「仕事のブランク」ではないでしょうか。
今回はしゅふJOB総研所長の川上氏が、日本の労働力率のデータや主婦の声を元にまとめたコラムをお届けいたします。
日本の年齢別、労働力率は?
労働力率とは人口数に対して働いている割合を表します。
女性の労働力率は10代から20代半ばに向けて上昇しています。そこから30代半ばに向けて下がりその後また上がった後、年齢が高くなるにつれて徐々に下がります。
それを折れ線グラフにするとMの字に見えることから、M字カーブと呼ばれます。
男性の労働力率は、M字のように凹む場所がなく台形を描きます。
M字カーブになるのは結婚・出産・育児による就業からのブランク期間が存在することの表れです。
ブランク期間は一般的にネガティブに捉えられるため、できるだけブランク期間をなくそうという議論が主流です。
しゅふJOB総研では結婚前・結婚後・出産後の3段階に分けて希望する働き方を調査したことがあります。
結婚前の女性の働き方は、正社員が72.0%でダントツです。
結婚後に希望する働き方は、正社員が23.5%で一気に低下。
代わりに、パート・アルバイトの希望が41.9%に上昇します。
さらに出産後には、パート・アルバイトの希望が53.6%と過半数を占めました。
家庭・子育てを優先に考える方が多いといえるのではないでしょうか。
フリーコメントには様々な声が寄せられましたが中でも多かったのは、ブランク期間を作ることへの不安でした。
「ブランクがあることで、なかなか仕事に復帰できないのではないかと心配」(30代女性)
「ブランクがあるので仕事をこなせるか不安」(40代女性)
「ブランクが長いと、対人関係に不安を感じる」(30代女性)
できるだけブランク期間を作りたくない、という思いがうかがえます。
ブランク期間を研修期間にする?
しかし一方で、ブランクを空白期間ではなく研修期間とする考え方も大切です。
弊社には、ブランク期間16年を経て再就職した社員がいますが、出産を機に以前の仕事を退職したあと、彼女が打ち込んだのは「PTA活動」でした。
会長を務めた3年を含む、計9年間。
その活動内容を面接で伝えたことで「しっかりと仕事をする人」という印象につながり、採用となりました。
PTA期間であっても真剣に取り組んだ実績は仕事で得られる以上の経験をもたらすこともあるのです。
日雇い派遣について
他にも、日雇い派遣などを上手く使えばブランク期間中でも、1日だけ就業して仕事感覚を養うといったことも可能です。
しかし日雇い派遣は、派遣法の改正で原則禁止となってしまいました。
禁止になる直前に尋ねたアンケートでは、64%の人が禁止に反対と回答しました。
反対と回答した40代の女性からは「仕事のブランクが長い時、短期の仕事はあったほうがいい。」というコメントが寄せられました。
同じく他の40代の女性からは「死ねと言われているも同然。」という激しい言葉もありました。
ブランク期間を空白期間にしないための法整備も必要だと考えます。
まとめ
主婦が再就職時にブランク期間が気になるのは当然です。
・ブランク期間に、何か自分にアピール出来ることはあるか?
・短期間の仕事で少しずつ慣れるのはどうか?
など、検討してみると良いかもしれません。
少子高齢化で日本の労働人口が減る中、主婦が活躍できる環境がさらに整うといいですね。
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※この記事は、しゅふJOB総研所長の川上氏が、京都新聞・長野日報・陸奥新報・福島民報・十勝毎日新聞等の各新聞にて、2016年8月~2017年3月の間に連載された内容をしゅふJOBナビ編集部にて一部修正をして掲載しています。
提供・しゅふJOBナビ
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