大阪府八尾市の恩智神社は、厄除けと運気上昇の神社として知られています。長い石段を上ると立派な社殿があり、神の使いである兎と龍も鎮座しています。周辺にある史跡や古民家カフェに立ち寄りながら、参拝してみてくださいね。
恩智神社とは
恩智神社（おんじじんじゃ・おんぢじんじゃ）は、大阪府八尾市にある神社です。創建は雄略年間（470年頃）とされ、大阪東部の河内地域を守護するために祀られました。ご祭神として、大御食津彦大神（おおみけつひこのおおかみ）と大御食津姫大神（おおみけつひめのおおかみ）が祀られています。
境内には、この神社の神の使いとされる兎と龍が鎮座しています。兎は神様を道案内したと言われ、交通安全、旅行安全のほか良縁に、龍は幸せな人生へと導く、開運のご利益があるとされています。
本殿には、オスとメスの兎が向かい合う「神縁兎」も鎮座し、良縁・縁結びを祈願するために訪れる参拝者も多くいます。
恩智神社へ参拝しよう
恩智神社へ参拝してみましょう。幹線道路から近いので、車でお越しになるのが便利ですが、電車と徒歩で訪れることもできます。近鉄大阪線の恩智駅からは、徒歩約20分なので、ハイキング気分で歩くのも良いでしょう。
恩智駅から恩智神社頓宮へ
まず、恩智駅の南側を通る大阪府道15号を東に進みます。狭い道路ですが、交通量があるので気を付けてください。恩智川にかかる小さな橋を渡り、少し進むと、道が二つに分かれる場所に出ます。樹木が植栽された広場「天王の杜」がありますが、ここは、これから向かう恩智神社がかつて建っていた場所です。
建武年間に、この地の豪族であった恩智左近が恩智城を築いた際、社殿より城が上の方にあるのは失礼だということで、この天王の杜から上方の恩智山上に移されました。現在は、恩智神社の頓宮となっています。
131段の石段を上って社殿に
さらに歩くと旧国道170号線と交差し、立派な鳥居が見えてきます。ここから坂道がきつくなってくるので、ご自分のペースで歩きましょう。あとで紹介しますが、こちらの交差点には古民家カフェがあるので、休憩していくのも良いかもしれません。
眼下に大阪平野の町並みを望みながら、古くからの集落を進みます。道は狭いですが、先ほどよりは交通量が少ないので歩きやすいでしょう。しばらく歩くと神社への石段が見えますが、こちらを上りきると、社殿のある神社境内に到着します。
あと少しというところですが、この石段は131段もあるそうで、長い坂道を登ってきた体にこたえます。最初はなだらかですが途中から急になるので、無理をせずゆっくり上りましょう。車でお越しの方は、石段の登り口から100メートルほど進んだ右手に参拝者用の駐車場があるので、そちらに止めてください。
拝殿・手水舎
階段を上りきると、美しい拝殿が迎えてくれます。この拝殿は、多くの人々の浄財（寄付）によって、平成12年に建てられたものだそうです。
こちらには、恩智神社の神の使いとされる「神龍・神兎」が鎮座しています。参拝した際にはこれらをなでて、無病息災や開運をお祈りすると良いそうです。
拝殿の右手には手水舎がありますので、まずお清めしてから参拝すると良いでしょう。こちらの手水にもうさぎがいますよ。
本殿
拝殿の裏には本殿があり、お参りすることができます。王子造りという、とても珍しい建築様式で建てられています。本殿にも石で造られた兎がいるのですが、こちらはオスとメス向かい合っており、なんとも可愛らしいものです。
このうさぎは、神縁兎と呼ばれ、なでて良縁に恵まれることをお祈りすると良いそうです。神縁兎の左右には結びひもがあり、良縁や昇運、招福をお祈りする「祈願紙」を結ぶことができます。また、兎が描かれたハート形の絵馬を奉納することもできるので、興味のある方は社務所でたずねてみてくださいね。
閼伽井戸（あかいど）
拝殿の北側に、水が湧き出ている井戸があります。こちらは弘法大師空海が参拝された際、水の乏しさに嘆き、谷に水を求めて杖を突いたところ、清水が湧き出たと伝わるものです。普段は透明のお水ですが、雨が降る前には赤茶色に濁るという特徴があるそうです。
