『愛しい嘘~優しい闇~』でぐっと上がった頼りがい
また『愛しい嘘~優しい闇~』でも、溝端の新たな魅力が感じられます。『愛しい噓~優しい闇~』は、同窓会から始まる恋と悲劇の本格ラブサスペンス。
画像:テレビ朝日『愛しい嘘~優しい闇~』公式サイトより
溝端演じる深沢稜は、主人公・今井望緒(波瑠)の幼馴染であり同級生で、彼女に長年想いを寄せています。一方、望緒は同じく同級生の雨宮秀一(林遣都)といい感じで、稜のことは全く男性として意識していません。それでも、望緒に困ったことがあれば山梨から東京まで駆けつけるなど、常に彼女を守ろうとするのです。
そんな溝端の姿には、今までのいい人キャラではなく、男らしい頼もしさを感じます。前述の『ゴシップ』でも、悪態をつきながらも凛々子の仕事をさりげなくサポートしたり、擁護したり。やさぐれ感を出しながらも、いい仕事で助けてくれるなどギャップ萌えが止まりません。稜みたいな幼馴染がいてくれたらたまらないし、根津みたいな同僚がいてくれたら頼もしい限り!ただのいい人ではない、“いい男”をしっかりと溝端が演じています。
変わらぬ“振り回され力”で愛されキャラ要素も健在
とはいえ、今までの溝端の魅力も両作品で健在!もともと溝端は、主人公やヒロインに振り回される役がお得意です。『新参者』では阿部寛が演じる所轄刑事にうまく使われるキャリア刑事を。昨年話題になった『天国と地獄~サイコな2人~』では、主演の綾瀬はるかに手玉に取られるゆとり刑事を演じました。
『ゴシップ』では、編集長の瀬古凛々子に、『愛しい嘘~優しい闇~』では犯人や望緒にやはり振り回されています。そんな風に翻弄されるなかで垣間見せる溝端の切ない表情や、ふとした優しい笑顔。それがキャラクターの魅力をより引き立てており、物語に大きな説得力をもたせています。俳優・溝端淳平、おみそれしました!!「頼りなくてちょっと空回りする役がぴったり」とか言って本当にごめんなさい。
俳優デビューして15年目を迎え、着実に積み上げてきたキャリアに30代の男の色気がのった溝端。今クール出演の2作品はもちろん、この先もますます目が離せません。
<文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 鈴木まこと tricle.llc所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Instagram:@makoto_s.1213
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