4.猫の出産に向けて準備するもの
出産が近づいたら、ダンボールにタオルやペットシーツ、毛布を敷いた“産箱”を用意します。出産時の出血などの汚れに対応するだけでなく、安心して産める環境を整えるため です。
また妊娠中は、お腹の子どもを育てるために栄養が必要です。与えすぎて太りすぎると難産の原因になるので量には注意ください。かかりつけの動物病院に栄養がしっかりととれるキャットフードをおすすめいただくのも良いでしょう。
出産当日の照明は暗めの方が安心するようです。また、出産中の母猫は人間への警戒心が高まっているため、目線を遮るパーテーションなどもあればより良いでしょう。 あとは、清潔なタオルとハサミ、木綿糸、お湯などを用意して陣痛を待ちます。事前にかかりつけの病院に連絡を入れ、万が一のときに受診できる夜間病院が家の近くにあるかどうか把握しておくと安心です。
また出産前から子猫を飼う環境を整え、家で飼えない場合には、事前に里親を探しておく必要があります。
5.猫の出産時によくあるトラブルと対処方法
安産といわれる猫ですが、出産時にトラブルが起きることもあります。
たとえば強い陣痛がはじまってから20~30分以上経っても子猫が出てこない場合は、産道の途中で引っかかってしまっているケースも考えられます。そのような場合には、事前に連絡しておいた獣医師に電話をして指示を仰ぎましょう。
その他、一度体温が下がったあと、平熱に戻ったのにもかかわらず分娩兆候が見られなかったり、陰門から茶色の排出液が出たのに分娩がなかったり、2~3時間以上微弱な陣痛が続いたりした場合にも同様の対応を。早めの受診をおすすめします。
また無事出産を終えたあとにも注意が必要です。通常出産後は、母猫が子猫を包んでいる羊膜を破り、顔や体を舐めるなどのお世話をしますが、お世話をしない母猫もいます。その場合はすぐに動物病院に電話をして指示を仰ぐようにしてください。飼い主が子猫にかかわりすぎると、母猫が子猫に気概を加える、完全に育児をしなくなるといった二次トラブルが発生するので対応に注意が必要です。
母猫がお世話をしても、子猫が全く動かなかったり、鳴き声をあげなかったりした場合のみ、母親から子猫を預かりましょう。その場合には子猫をやさしく両手で持ち、子猫の鼻や口から羊水が出るように軽く振ってください。そのあとタオルなどを用いて身体をこすり、動いたり、鳴き声をあげたりしたら母猫のところに戻して大丈夫です。
6.猫の繁殖を望まない場合は不妊去勢手術を
繁殖を望まない場合には、不妊手術を行うことをおすすめします。
望まない妊娠を防ぐことは、不幸な命を産まないことにつながります。
また、不妊手術を受けることで、猫の乳腺にできる悪性のガンを予防することができます。乳腺ガンは高確率で肺にも転移する、猫の天敵。不妊手術を6ヶ月齢前に受けることで91%、7~12ヶ月齢で86%、13~24ヶ月齢で11%も乳がんの発生率が低下することが報告されています。なるべく早期に避妊手術を受けることが、効果的な予防につながります。
7.まとめ
以上、本記事では愛猫の様子がいつもと違ったらチェックしたい猫の妊娠兆候、出産に向けての準備とトラブル対処法について紹介しました。
愛猫の様子に少しでも異変を感じたなら、迷わず獣医師の指示を仰ぐことが、飼い猫の幸せにつながります。
もし繁殖を計画している場合は、まず繁殖経験のあるブリーダーや獣医師に相談し、出産のリスクや出産後の注意点を理解し、生まれてくる子猫を責任持って飼育できるかを十分に検討した上で判断しましょう。
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