これがイスラエル料理…？本場のおすすめコーシャレストランまとめ

中東・イスラエルで最も信者が多い宗教がユダヤ教。ユダヤ教食といわれるコーシャフードの基本を解説し、「イスラエル料理」の解説に加え、現地でコーシャフードを提供する人気店を複数紹介します。

「イスラエル料理」は無い

(画像=tripnote.jp、がぅちゃん、トリップノートより引用)

無いと言うと驚きですが、「イスラエル料理」はまだ確立されていない、というのが現在のイスラエルでの共通見解となっています。「寿司＝日本料理」のように、国際的に認識されるイスラエル発祥の"イスラエル料理"はまだ存在しません。

なぜなら、イスラエルは1948年に東ヨーロッパのユダヤ人（シオニスト）らによって建国された国。世界中から移民が集まって成り立っている、という状態があります。イスラエル国内でよく食される定番料理は、海外の母国料理という状況です。

(画像=en.wikipedia.org イスラエルの初代首相「ダヴィド・ベングリオン」は、ロシア帝国・プロニスク（現・ポーランド）出身。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

たとえば、タクシーの運転手さんに、「イスラエル料理／Israeli Foodってなにがある？」など聞くと、「いや無い無い無い」と、返す刀で突っ込まれたりすることも、あります。しかしながら、「イスラエル料理」は無くとも、イスラエルの定番料理はたくさんあります。

現在のイスラエルの定番料理は、欧米の先進国で親しまれている食のセンスをベースに、土地と移民と宗教の要素が混ざって展開しています。中東料理、地中海食、東欧料理（東欧からの移民がかなり多いため）、コーシャフードなどがそうです。

イスラエルの食文化は、同じく地中海沿岸の国である、トルコやギリシャの料理にも似ているところがあります。

「コーシャ」について

(画像=gauchan.xyz イスラエルの「コーシャ」の看板。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

コーシャは、ユダヤ教の食の戒律・カシュルート（Kashrut）の基準をクリアした状態の食べ物を指す言葉です。コーシャという言葉には本来、「Right／ただしい」のような意味があります。一般的に、コーシャの状態の食べ物を「コーシャフード／Kosher Foods」と呼びます。

(画像=gauchan.xyz コーシャ認定証。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

食材がカシュートの基準を満たした時に「コーシャフード」のお墨付きがもらえるのですが（コーシャ認定機関が世界中に存在する）、コーシャの分類は大きく3つで、「肉」「乳製品」「パルバ」です。パルバには中立という意味があり、肉と乳製品以外でユダヤ教徒らが食べることを認められた食べ物です。

有名なNG食材（非コーシャ生物）は、ブタ・ウサギ・貝・甲殻類・虫etc。肉と乳製品を同時に取り扱ったり／食べるのも、NGです。チーズバーガー、ペパロニピザ、カルボナーラ、チーズダッカルビなどは、個別の食材がコーシャだったとしても、食べ合わせによりNGとなります。

コーシャはイスラエルでもマイナー

(画像=gauchan.xyz イスラエルのユダヤ教徒＠テルアビブ・ゲイプライド。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

イスラエルは国民の約7割がユダヤ人ですが、ユダヤ教を信仰しているのは、そのうちの約半数程度といわれています。つまり、イスラエルでコーシャを食べる必要があるユダヤ教徒は、実は国民の半分以下にとどまるという見方ができます。

(画像=gauchan.xyz マクドナルドの看板＠イスラエル・エルサレム。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

コーシャのレストランの割合は全体の4割程度と言われています。実際に、イスラエルにあるマクドナルド全180店舗のうち、コーシャの店舗は50店のみ（ほぼ3割、2020年時点）。イスラエルのコーシャレストランは、なにか特別な料理を提供しているわけではなく、一般的に世間で受け入れられている料理をコーシャ仕様で提供した、というところが多いです。

「コーシャフード」と「ユダヤ料理」の違い

コーシャフード

(画像=gauchan.xyz イスラエルの国民的コーシャおやつ「バンバ」。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

「コーシャフード」は、単純に、カシュルートの基準をクリアした食べ物のことです。スシもラーメンも、基準をクリアすればコーシャフードになりえます。例えるならば、野菜がオーガニックかどうか、といった次元の違いしかありません。

野菜がオーガニックであろうがなかろうが、美味しければ食べられる。という人が大多数のように、イスラエルでは、コーシャフードも、そうでない料理と等しく愛されています。

ユダヤ料理

(画像=gauchan.xyz ユダヤ料理の代表格「ゲフィルテ・フィッシュ」。ツミレやカマボコの類い。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

「ユダヤ料理／Jewish Cuisine」は世界各国でユダヤ教徒が食べ続けてきた伝統的な料理です。地域差がありますが、「ゲフィルテフィッシュ」は特に有名で、世界中で食されています。

ユダヤ料理はその性質上、「コーシャフード」であることが前提です。つまり「ユダヤ料理＝コーシャフード」という方程式。しかしながら、逆の方程式は成り立ちません。あくまでも「ユダヤ料理はコーシャ料理の一種」という感覚です。

例えば、「全てのかまぼこは魚料理ですが、全ての魚料理はかまぼこではありません。」すなわち、「全てのユダヤ料理はコーシャフードですが、全てのコーシャフードはユダヤ料理ではありません。」と言ったら分かりやすいでしょうか。

(画像=がぅちゃん イスラエルのダンホテルで食事するユダヤ教徒。、がぅちゃん、トリップノートより引用)

それではここからは、イスラエルにあるおすすめのコーシャレストランをご紹介していきます。

コーシャ・ステーキハウス「ゴシェン」

(画像=がぅちゃん、がぅちゃん、トリップノートより引用)

(画像=がぅちゃん、がぅちゃん、トリップノートより引用)

イスラエルの東京とも称されるテルアビブで人気のステーキハウスが「ゴシェン」です。イスラエルは食肉大国で、国民一人当たりの年間牛肉消費量は世界4位、鶏肉は1位です。

写真のものはBeef Fillet Medallionで、150シェケル／4,500円。余談ですが、「ゴシェン」は聖書に関連する名前なので、アメリカの田舎にも同じ名前の町があったりします。

コーシャ・サンドイッチチェーン「ニューデリ」

(画像=がぅちゃん、がぅちゃん、トリップノートより引用)

(画像=がぅちゃん、がぅちゃん、トリップノートより引用)

イスラエルのサブウェイのようなお店です。サンドイッチはどれも25シェケル（750円）均一。写真のものは「シャワルマケバブ」のサンドイッチ。シャワルマケバブは、日本で言うトルコケバブ、トルコ・ドイツで言うドネルケバブのことです。