2月のフランスは、誰かと会えば「スキーバカンスは?」が合言葉。ついこの前、クリスマスバカンスがあったばかりなのですが、そこはバカンス大国フランス。6週間ごとに2週間の学校休みがやってきて、家族はこの休みに合わせて仕事の休みを調整するのです。

そしてまもなく通称「スキーバカンス」と呼ばれる連休がやってきます。しかもスキー場や交通機関が混雑しすぎないようにと、フランス全土を3つのエリアに分けて1週間ごとにバカンスの時期をずらしていくという徹底ぶり。今回はそんな冬のスキーバカンスについてご紹介します。

初挑戦したフランスでの「スキーバカンス」

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=アパートタイプのホテルはベランダの目の前がスキー場。バカンスの時期にはホテルやアパート、列車などの値段が一気に上がります、『PARIS mag』より引用)

バカンスといえば、「海辺のリゾートと太陽いっぱい夏!」というイメージですが、それに匹敵するくらいフランス人にとって重要なのが冬のスキーバカンス。毎年友人知人から話は聞いていたのですが、実はフランスに住み始めてから18年間一度も行ったことがなかったのです。そんな我が家もついにこの冬、ザ・フランスなスキーバカンスを体験してきました。

スキー場には、子どもの頃参加したスキーキャンプと大学時代に近場のスキー合宿くらいでしか行ったことがありませんでした。そのときの記憶といえば、指と足の先まで冷たくて痛くなり、リフトに乗りながら凍え、転べば湿っぽい雪でスキーウェアがベチョベチョに…。唯一の楽しみだったのが体温まるラーメン!という感じであまり良いイメージを持っていなかったのです。

私も主人もスキーはお互い25年ぶり以上!さらに主人は竹馬やスケートといった、バランス系のスポーツが極めて苦手だったため、今までは積極的にスキーバカンスを過ごそうとしていなかったのです。しかし、子どもが生まれてからは子どものためにも、そして自分でも一度は体験してみたいなと思い一念発起。渡仏して初めてアルプスの山へ行ってきました。

フランス人はみんなスキーが上手!その理由とは?

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=町のあちこちにレンタルショップが点在していて必要な道具はすぐ借りられます。1週間単位のバカンスにならって、1週間レンタルが最もお得な設定になっています、『PARIS mag』より引用)

フランスのバカンスは季節を問わず、通常1週間単位の長さで取ります。夏は2、3週間、冬のスキーバカンスは1週間くらいがもっともポピュラー。キッチン付きのシャレーやホテルを借りたり、食事や子供の託児所やスパなどまでフルコースでついているリゾート型ホテルに滞在したりするのが一般的です。

今回我が家が滞在したのはパリから車で5時間半ほどのアルプスの山奥。端から端まで歩いても15分ほどの小さな街ですが、ゲレンデが直結していてスキーをして1週間過ごすにはとても便利な場所でした。

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=3〜4才くらいの幼児クラスは柵に囲まれた「子供の庭」と呼ばれるスペースで練習、『PARIS mag』より引用)

到着したらまずは道具をレンタルして、スクールの申し込みなどを。子どもたちは半日、もしくは1日コースのスクールに入る子が多く、3、4歳の子どもでも1週間みっちりスキーを教わります。ママたちは半日自由になるし(笑)、子どもたちはどんどん上達するので一石二鳥!

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=1週間毎日、午前のコースに参加した4歳の息子。子どもの上達はあっという間で、午後にはリフトに乗って一緒に山上から滑れるようになっていました!、『PARIS mag』より引用)

今回フランスのスキー場で過ごしてみておどろいたのは、フランス人は大人も子どもスキーが上手なこと!1週間単位で小さな頃から毎年のようにスキーを楽しむ習慣があったら、それは上達も早いしできない人が少ないのだなあと実感しました。

スケールの大きなフランスのスキー場を大満喫!

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=長いリフトは滞在している街を越えて山のてっぺんへ。街ゆく人たちの真上を通り過ぎます、『PARIS mag』より引用)

私たちもゲレンデに行ってみました。ゲレンデから何本ものびるリフトに乗ること10分前後。さらにリフトを乗り継いだり、山を越えて他のスキーリゾートと直結していたりと、フランスのスキー場はリフトもコースも何もかもが壮大。

「スキー好きな旦那は一度登って行ったら半日降りてこない」なんて、「ほんと!?」と思うような話も聞いていましたが、日本では見たことがなかったスケールのスキー場を体験したらそれも納得。

今回私たちが行ったスキー場は、フランスの中では大きくない方ですが、アルペンスキーのコースが全長192km、ノルディックスキーのコースが全長120kmという規模なのです!

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=ゲレンデからは雄大な景色が楽しめます、『PARIS mag』より引用)

雪は雪だるまが作れないくらいサラサラで、転んでもまったくベチョベチョになりません。モンブランなどに連なるアルプス山脈の美しい景色を見ながら滑り、疲れたら山の上のレストランやカフェでご飯を食べたりホットワインを飲んだり…。日本のようにラーメンや煮込みうどんはないけれど、夜はラクレットやチーズフォンデュなどフランスの山ならではのグルメをたっぷり味わって早く寝て次の日に備える。そして翌朝は9時に始まるスキースクールに向けてみんな一斉に動き出す。という健康的なサイクルで動きます。

フランス人が夏のバカンス並みに大切にしている「スキーバカンス」
(画像=街のチーズ屋さんでは「ラクレット」や「チーズフォンデュ」のセットを販売。道具も無料で貸し出してくれるので、ホテルでもおいしいグルメを楽しめます、『PARIS mag』より引用)

1週間を過ごしてすっかりフランスのスキーバカンスの魅力にハマった我が家。これから毎年冬の定番になりそうです。


提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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