大分県の由布院は、温泉湧出量日本3位、源泉の数も同県の別府温泉に次いで2位という、日本を代表する温泉地の1つです。他の温泉地と比べ「上品でお洒落」というイメージが強く、女性にも高い人気を誇ります。そんな由布院の観光名所でも特に名高いのは、金鱗湖でしょう。吉田松陰とも親交のあった儒学者毛利空桑が、湖の魚の鱗が夕日に輝くのを見て名づけたといわれます。この湖の特徴は、何といっても寒くなると湖面から霧が立ちのぼることです。今回は、そんな美しくも少し不思議な湖、金鱗湖を紹介します。
霧の立ちこめる湖、金鱗湖
バス停「岳本」から徒歩8分ほど、あるいは由布院駅から徒歩20分ほど歩くと、金鱗湖にたどり着きます。
この湖は湖底から水と温泉が湧き出しており、秋~冬の朝方には霧が立ちのぼり幻想的な光景となります。寒いほど霧が立ちこめるので、早起きして訪れることをお勧めします。
移動の都合上朝早く訪れることができない場合は、夕方でも構いません。毛利空桑がこの湖に金鱗湖と名をつけたのも夕日にきらめく魚の鱗からであり、その姿は決して朝に見劣りするものではありません。
また、霧が出やすいのは冬ですが、紅葉シーズンの金鱗湖も高い人気を誇ります。訪れる季節や時間に絶対の正解はないので、訪れたその時にしか見られない金鱗湖の風景を楽しみましょう。
金鱗湖を1周しよう
金鱗湖は周囲400メートルほどの大きさで、遊歩道も整備されているのでちょっとした散歩にはぴったりです。霧の立ちのぼる湖の周りをゆっくりと回ってみましょう。
透明度が高く、風がなければ湖面に景色が鏡のように移ります。
温泉水が流入し霧が立ちこめる金鱗湖ですが、意外にも多くの生き物が住んでいます。
景色だけでなく、餌をねだり近寄ってくる水鳥や、見るからに暖かそうな水中を平気で泳ぐ魚たちにも注目です。
湖のほとりには天祖神社があります。鳥居が湖の中に建っており幻想的な雰囲気です。