このほかに、ポアロの盟友で『オリエント急行殺人事件』に続き出演する“探偵の友人”ブーク(演:トム・ベイトマン/右下)、名高き画家でありブークの“過保護な母親”ユーフェミア(演:アネット・ベニング/右上)、結婚式でパフォーマンスするために雇われた華麗なるシンガー サロメの姪で“敏腕マネージャー”ロザリー(演:レティーシャ・ライト/左下)も描かれている。果たしてこの中にリネットを殺害した真犯人はいるのか?

ほかにも2人の結婚を祝うためクルーズ船に乗り込むのは、リネットの財産管理人アンドリュー(アリ・ファザル)、リネットのメイドで自身も上流階級の仲間入りをしたいと強く願うルイーズ(ローズ・レスリー)、リネットの友人として結婚式に出席する医師ドクター・ウィンドルシャム(ラッセル・ブランド)、そしてリネットの名付け親であり後見人でもあるスカイラー(ジェニファー・ソーンダース)、スカイラーの看護師で株の大暴落で資産を失った過去を持つバワーズ(ドーン・フレンチ)。皆それぞれにリネット殺害の動機があり、誰が過ちを犯してもおかしくはない危うさを持つ。愛と嫉妬が絡み合う三角関係は、11人の容疑者たちの欲望を載せてさらに激しく絡み合う。

この難解な謎解きを、世界で最も有名な探偵は、如何に紐解いていくのだろうか?

監督と主演を務めるケネス・ブラナーは、「ある女性が別の女性の男を奪ったことにより、“宿命”が生まれ、そこから感情の爆発が起こる。つまりドツボにハマったこの三角関係こそが、死を呼ぶ休暇の中心据えられた腐った果実なのです」と語り、男女の三角関係こそがこのミステリーの核になっていることを明かしている。ナイル川を往く豪華客船内で起こる殺人事件、そして次第に浮き彫りとなるそれぞれの思惑と複雑に絡み合う人間関係…。ドラマチックな豪華ミステリー・クルーズに、今世界が注目をしている。