自分の好きな綺麗を自由に楽しむためのメイクを伝える連載『メイクの自由帳』。“妄想場面メイク”では、なかなか行動に移せないリアルな状況に思いを馳せ、「もしもその場にいたら、どんなメイクを楽しみたいか」を考えます。今日の行き先は「コスメ新作発表会」! シチュエーションに合わせたメイクをご紹介。
行きたいのに行けない、やりたいのにやれない。
さまざまな理由で行動に移せないことがたくさんあります。
「もしそれらができたとしたら、その場面で筆者はどういうメイクをするのかな」
本連載では、そんな妄想をベースにしたメイクアップをご紹介。
どこにも行かないけれどGRWM(※)、今月の妄想は「コスメ新作発表会」。
新しい“きれい”に出会える場所に妄想を広げていきましょう!
※「Get Ready With Me」の略で、「私と一緒にお出掛けの準備をしよう」という意味。
メイクの完成形
メイクの工程そのものを増やすことで、アイメイクの奥行きやメリハリをわかりやすく表現しました。時間はかかりますが、その分パーティー感のある華やかなアイメイクとなります。
リップメイクはバームをチョイスすることで、発色と仕上がりに抜け感を出しました。顔の上でパワー(目周り)と脱力(口元)のふたつの要素を存在させることで、より一層今っぽさとこなれ感を演出できます。
今回のアイメイクは難易度が高いため、難しく感じる部分も多いと思いますが最後までついてきてくださいね!
ベースメイクのやり方
使用アイテム
STEP1:化粧下地を塗る
POINT:トーンアップと保湿を叶える下地を選ぶ
新作発表会の会場は、コスメブランドによってさまざまな会場で開かれるため、初めて行く場所ということも多いです。筆者の場合、ホテルだと乾燥対策、オフィス街にあるビルの一室なら崩れにくさを重視というようにベースメイクを選んでいます。
今回は港区の南青山にあるイベントスペースに招待されたと仮定して、適度なツヤと隙のないカバーされた肌を目指します。
この化粧下地(a)は両手でスキンケアのように伸ばして使うのが好きです。美容液90%配合で、もっちりツヤ肌になれますよ。液が少しピンク色で自然に肌をトーンアップさせてくれる点もお気に入り。ハイライトをのせるのではなく、肌の内側からみずみずしい光沢を出せたら良いですよね。粉体をのぞくエマルジョン。
下地を塗る前のスキンケアをいつもより丁寧に行うのもおすすめ。特別なパックなどは必要なく、化粧水や乳液などをいつもよりプラス30秒ずつ時間をかけてなじませるだけでも化粧のりが向上しますよ。
STEP2:コンシーラーを塗る
POINT:コンシーラーをファンデーション代わりにする
このコンシーラー(b・c)はリキッドタイプでかなり液の伸びがいいため、ファンデーションの代わりに使える優れもの。厚塗り感なく肌色を均一に整えたいときに使うテクニックです。明るい色(b)とやや明るい色(c)の2色を使うことで、簡単にコントゥアリングメイク(※)をしていきます。
※コントゥアリングメイク:ハイライトやシェーディングで「影や光」を仕込んで「立体的かつ小顔にみせる効果」のあるメイクテクニックのこと
顔の内側3カ所(b)と顔の外側3カ所(c)にコンシーラーを少量置き、クッションパフ(d)で叩き伸ばしましょう。明るい色(b)から先に伸ばします。
顔の中央はパフの表面に残った液(bとcが混ざり合ったもの)でカバーしましょう。
STEP3:パウダーを塗る
自然な仕上がりのパウダー(e)を使って、ベースメイクを固定します。化粧下地とコンシーラーで作ったツヤを消さないよう薄膜な仕上がりのものを選びました。
パール入りは肌がキラキラしてかわいいのですが、毛穴や肌の凹凸が少し目立ちやすくなるため、今回はノンパールにしました。付属のパフで顔全体になじませます。
アイブロウメイクのやり方
使用アイテム
STEP1:眉ペンシルで足りない毛を描く
POINT:眉尻から描き始める
ペンシル(f)は描き始めが一番濃くなるため、眉の中(毛の内側)から描くと失敗しにくいですよ。今回はパウダーなし、眉マスカラなしのアイブロウにするつもりなので、ペンシル一本で濃淡をつける必要があります。
ペンシルで「しっかり描く部分」と「化粧筆でぼかしながらペンシルの色を広げていく部分」とを意識しながら描き進めていきます。
なぜペンシルのみで眉を作るかというと、毛の黒々としたニュアンスを残したかったから。眉までピンクにすると、そこから髪色までピンクにしたくなり準備が大変です。ピンクメイクを楽しむためにも眉毛は極力ありのままがおすすめ。
もしも今の髪色がハイトーンで、眉の色も合わせたいのであれば、カラーリングしてみても良いと思います。
STEP2:化粧筆とスクリューブラシでぼかす
POINT:ペンシルで描いた色が定着する前に素早くぼかす
ペンシルで色をしっかりつけた眉尻側をアイブロウブラシ(g)でぼかします。色が禿げないよう優しく触ってください。そうすると筆先に色がつくので、それを眉頭へ持ってくるような形で眉全体に色を伸ばします。
眉の形が決まったらペンシル付属のスクリューブラシで眉毛を梳かしてバランスを見ましょう。もっと濃くしたい部分があればペンシル(f)で描き足してぼかす……を繰り返してください。
アイメイクのやり方
使用アイテム
STEP1:上まぶたを仕上げる
POINT:同じ系統のピンク色を組み合わせる
薄ピンク(i1)をアイシャドウブラシ(j)に取り、アイホール全体に塗ります。
赤みのあるピンクラメ(i2)を中指に取り、薄ピンク(i1)と同じ幅にのせましょう。ラメは指で塗ることで密着度とキラキラ感アップを狙いました。
白ラメ(i3)は丸斜めブラシ(k)を使って、目頭のくぼみをえぐるように塗りつけていきます。筆先に骨が当たるので位置はわかりやすいと思います。
キャラメル色のアイライナー(l)は目尻と目頭の2カ所に使います。理由はないのですが、筆者は目尻から引く派です。黒目の上から目尻にかけてまつげのキワを埋めるようにアイラインを引き、アイシャドウを塗った位置まで思いっきりオーバーさせました。
目頭は目頭を切開させるイメージでアイライナーの筆先を食い込ませます。反対側の手で鼻を押さえるように補助すると描きやすいです。
STEP2:下まぶたを仕上げる
POINT:曲線を意識して塗る
やや濃いピンク(i4)を丸斜めブラシ(k)に取り、目の下にがっつり塗ります。上まぶたと比べて下まぶたへのカラーメイクは躊躇してしまいがちですが、思い切って塗って大丈夫です。下まつげの毛先よりもアイシャドウの着色面積が外になるよう伸ばします。青みのピンクラメ(i5)も同じ範囲に塗ります。
仕上げにグリッター(m)を涙袋をぷくっと見せたい位置に少量のせます。指か綿棒でムラのないようにグリッターを散らしてください。
STEP3:マスカラを塗る
POINT:まつげの上側、半分にもマスカラを塗る
上まつげにはカラーマスカラのつきを良くするためにマスカラ下地(n)を塗ります。
マスカラ下地が半乾きになるくらいでピンクのマスカラ(o)を上下まつげに塗りましょう。
下まつげはまつげの上から押さえるように色をのせます。やりづらいようであれば、アッカンベーをするイメージで肌を引っ張って補助してください。
上まつげはまつげを下から持ち上げるように色をのせます。
通常ならこれで終わりですが、今回はまつげの上側にもマスカラコームをすべらせて毛先半分だけピンクに染めます。この工程を増やすことにより、目を閉じたときにもピンクが鮮やかに見えます。しかも、根元にはマスカラを塗らず黒い部分を残すことによって、眉毛と統一感が出ますし黒いアイラインの代わりになる効果も期待できます。
チークのやり方
使用アイテム
STEP:チークを塗る
POINT:マスクの鼻当て部分より下に塗る
チークをマスクから見せないのは最近のマイブーム。
アイメイクが濃いときは無理にチークの位置を上げて、下まぶたとぶつからせる必要なし。
「チークの位置を下げると顔が間延びしているように見える」と心配な人は、チークの着色範囲を狭くするといいです。頬の余白をカバーしようと色を無闇に広げるのも逆効果な気がします。やや内側に塗ってあげると引き締まりますよ。今回は楕円ではなく円になるよう塗りました。
リップメイクのやり方
使用アイテム
STEP:口紅を塗る
POINT:透明感のあるバームで抜け感を出す
バームリップ(q)は色づきが淡くシアーなテクスチャーではありますが、それをあえてきっちり輪郭を取って塗る点がポイント。
リップクリームのようにラフに塗るとカジュアル過ぎてしまい、お仕事メイクのような日常のメイクアップに見えてしまいます。色や質感で抜け感を出しつつ、パーティー用のリップメイクに格上げするためには輪郭取りは必要な工程です。
最初にフレームを作っておけば、その後の塗り直しは唇の中央にサッと塗り重ねるだけなので簡単ですよ。
プラムカラーはきれいめな装いに合いますし、バームタイプなら何度塗り直しても重たくなりません。たくさん話したり、飲んだり食べたりしても大丈夫。
コスメ新作発表会に行くための妄想場面メイク、完成です!
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