勝手に自分たちの世界に入らないで!

「そうそう。それに彼氏さんとはほぼ初対面に近かったので、これが気心知れた友だち同士や、カップルさんだったらまた違ったかもしれませんね。でも2対1で、画面の二人は並んでこっちを見てくるんです。『何か話さなきゃ!』『話のネタを提供しなきゃ』って、頼まれてもいない司会進行を一人でやっているようで、本当に疲れました」

 楽しいはずのZoom飲みが、気遣いと気疲れの時間に変貌したとか。まさに地獄……! 友人カップルもZoom飲みには慣れておらず、いまいち勝手が分からないこともさらに状況を悪化させたそう……。

なぜ?なごやかなZoom飲みで「友達を失った」女性。ビデオ会議の怖い“落とし穴”
(画像=『女子SPA!』より引用)

「目の前のパソコン越しに話しているといっても、その空間はまるっきり二人の日常的な空間なんですよね。だからなのか、私が必死に話のネタを振っているときも、『……あ~あのときの朝のアレ、どうなった?』とか、『この前言ってたお店、昼なら開いてるから行ってみない?』とか、急にこっちが入れない恋人っぽいムードをちょいちょい出してくるんですよ! 

 こちらは黙るしかないし、お酒が進む度に意味不明のラブラブトークが多くなって、私はなんでパソコン越しにこんなに疲れてるんだろうって精神的にもダメージをくらっていました」

 時々ミュートにしてみたそうですが、いつの間にか今度は友人から話を振られていて、慌ててオンに切り替えることもあったそう。いっそのこと、Zoomを強制終了させたくもなりますね。

ネタが切れたら自宅のルームツアー。気疲れしすぎた5時間

「同じシチュエーションでも、フツウに楽しめる人もたくさんいると思うんですよ。でも私が自分の他人の表情や仕草、会話や雰囲気にけっこう敏感な方なので、一人で勝手に気を張って疲れちゃうのかもしれません。でもそんな逃げ場がない2対1の構図で、一人で気を遣って、仕切って、自虐ネタをぶっこんで……」

 繊細で気を遣いすぎる性格がZoom飲みには合っていなかったのか、吉木さんは今度は友人カップルに言われるがままに“あること”まで始めてしまいます。

なぜ?なごやかなZoom飲みで「友達を失った」女性。ビデオ会議の怖い“落とし穴”
(画像=『女子SPA!』より引用)

「もう話すネタもなくなったし、ノロケ話も聞き飽きたころ、『最近引っ越したなら、部屋とか家具ちょっと見せてよ~』という友人のお願いを断れず、まさかのど深夜のルームツアーですよ……。

 ノートパソコンを持って、『お、お風呂はこんな感じです~』とか、『やっと洗面台がシャワーノズル付きになりましたぁ~……』って解説して回って。それに怖いのは、Zoom飲みはいつまで経っても終われないこと。家だから、『そろそろ終電が』とか『ペットのごはんを用意しなきゃ』とかの言い訳ができないんで、相手が辞めるっていうまでなんか気まずくて終われないんです。その日は5時間友人カップルに付き合いました」