専業主婦と兼業主婦。 同じ主婦でも、生活スタイルは大きく違います。
今回は、
・専業主婦と兼業主婦の割合は?
・環境面で見る専業主婦と兼業主婦それぞれのメリット
・経済面で見る専業主婦と兼業主婦それぞれのメリット
の3点から、専業主婦と兼業主婦を徹底比較していきます!
そもそも専業主婦・兼業主婦って?
三省堂 大辞林、wikipedia、をまとめてみると、下記の意味で用いられているようです。
専業主婦:主婦業(家事(炊事、洗濯、掃除、買い物、家計管理)や育児など)に専念している女性。多くは、税制上課税所得に達せず、扶養家族としてみなされる妻のことをいう。
対して、「兼業主婦」は辞書に表記されていません。
意味合いを考えてみると、世間で言われている兼業主婦とは、このようになるのではないでしょうか。
兼業主婦:主婦業(同上)とあわせて、働いて課税所得に達する収入を得ている女性。
大きな違いは、家事・育児にプラスして、仕事をして収入を得ているかどうか、というところのようです。
専業主婦・兼業主婦 その割合は?
2014年に発表された総務庁の統計によると、兼業主婦は約60%、専業主婦は約40%となっています。
現在では、兼業主婦の割合のほうが圧倒的に多くなりました。
高度経済成長期には、終身雇用、年功序列が機能していたこともあり、男性が外で働き女性はそれを支える役目として専業主婦であることが一般的であり、専業主婦家庭の方が優遇されてきました。
※専業主婦は年金保険料を払わなくても、老齢年金がもらえる、所得税に配偶者控除があるなどメリットがありました。
しかし、終身雇用や年功序列といったシステムの行き詰まりとともに、雇用・収入ともに不安定となり、男性1人の収入で中長期的に生活を維持するのが難しくなってきます。
そして、バブル崩壊を機に兼業主婦と専業主婦の割合はほぼ同率となり、以降、兼業主婦の割合が上回るという流れで逆転しました。
近年では、
・女性の社会進出が加速化している
・働きたいと思う女性が増加している
・働きやすい環境が整ってきた
などの理由から、どんどん女性が仕事を持つようになってきました。
専業・兼業それぞれのメリット・デメリット
専業主婦と兼業主婦、それぞれの環境メリット・デメリットを見ていきましょう。
【専業主婦の場合】
・家事や育児に費やせる時間が比較的とれる
→子どもの世話も家事も、自分で行うことができます。子どもと向き合うことでリアルタイムに成長を見守ることもできます。また、その分、夫は仕事に集中をしていることが多いようです。
・仕事がらみの悩みはない
→仕事に絡む人間関係のストレスや、ノルマのプレッシャーに悩まされることがないことは、大きなメリットと言えます。
兼業から専業にシフトチェンジした人の中では「時間的に余裕ができたので心の余裕が持てるようになった」という方も。
主人の仕事の話を聞いたり、子どもの勉強に付き合ったり、繰り返す祖父母の話も笑顔で聞くことができ、家庭が穏やかになったという声もありました。
ただし、子育て中であれば、子どもとの時間が中心で「社会との繋がりが実感できず、焦燥感を覚える」ということもあるでしょう。また、ママ友との人間関係にストレスを覚えることもあるかもしれません。
そして、家事・育児は結果が出にくい仕事。ルーティンワークに感じたり、満足感がもてない、仕事をしていた時より時間の使い方が下手になった…という声もあります。
他にも、仕事から離れている期間がブランクと見られ、社会復帰が難しくなりやすいという側面もあります。
【兼業主婦の場合】
・経済的に余裕がある
→夫の収入のみに頼るシングルインカムに比べ、やはり経済的に余裕ができる家庭が多いようです。
・仕事を通して社会との繋がりを実感できる
→妻・母親としての自分以外、個人としての存在意義を実感できやすいのは大きなメリットといえます。
・ブランクが少ない
→仕事から離れている期間=ブランクが少ないので、復職や就職がスムーズにいきやすい傾向があります。
ただし、家庭と仕事の両立は、やはり簡単とは言えないもの。時間的な余裕のなさが多くの兼業主婦を悩ませています。
子どもの将来のために働いていることだが、子どもがいちばんかわいい時期に預けるのは悔しい、という声も聞こえてきます。
妻・母としての顔だけではなく、仕事をする人としての顔を持っていることで、どうしても子育て・家事に費やせる時間が制限されがちという実情は否めません。
専業主婦・兼業主婦、どっちが大変?
どちらが大変、どちらが楽、とは言い切れないもの。
生活を共にする人数で、家事の量・負担も変わってきます。
パートナーの協力度合い、困った時にパートナー以外にも頼れる家族がいるかどうか、によっても変わってきます。
家事が苦手だったり時間がかかってしまう人は働きに出たほうが家族にとっていいこともありますし、逆もまたしかりです。
また、仕事についても、就業する日数、1日の勤務時間の長さによっても負荷は変わってくるもの。
1日の間で何時から何時までであれば就業ができるのか、その目測を誤ってしまうと兼業が大変になり、不満も募りがちです。
これからお仕事を探す場合、何時に家を出て、帰宅できたら負荷が少ないか、考えてみてください。
また、教育方針や家計状況も大きくかかわります。
家計をやりくりし、経済的にプラスの余裕は持てなくても子どもとリアルタイムに向き合う時間を多く持ちたい、という方もいます。
将来の教育費のためにプラスで稼ぎつつも、限られた時間でも、子どもと向き合う時間を大切にできるよう工夫している方もいます。
考え方もさまざまです。
専業主婦・兼業主婦 金銭面のメリットデメリット
次に、専業主婦と兼業主婦、それぞれの金銭面のメリットを見ていきましょう。
【専業主婦の場合】
・配偶者控除など、優遇措置が多い
自分で年金保険料を支払っていなくても老齢年金がもらえる、夫の所得税から配偶者控除があるなどの優遇措置があります。
ただし、年金に関していえば、将来、受給できる老齢年金の額は兼業主婦世帯に比べると少なくなります。
また、専業主婦は自分自身で自由になるお金が少ないが故に、お友達と食事に行ったり、旅行や欲しいものを買うのにも躊躇しがちな傾向もあるようです。
逆に、余裕がないからこそお金を大切に扱うようになり、節約を頑張ったことで貯金が増えた!という方もいます。
【兼業主婦の場合】
・世帯の家計に余裕が生まれやすい
子どもが小さいうちは保育園代などの支出がありますが、長い目で見れば、世帯の家計に余裕が生まれやすい傾向があります。
一説によると、専業主婦世帯と、フルタイムで仕事を続けた兼業主婦とでは、生涯年収に数千万円~億もの格差が生じるそうです。
家計に余裕があれば、例えば、子どもの習い事、教育費にお金をかけられるので、自ずと選択肢は広がります。旅行やマイホームの購入など、さまざまな点で、ワンランク上を叶えられる可能性も広がります。
自分が稼いでいるので、もちろん、自分が使える額にも余裕があります。
友達からの誘いにも喜んで出かけていくことができますし、趣味や勉強、自分磨きにお金をかけて、ますますキャリアアップしていく、といったプラスのスパイラルを生みやすい傾向があります。
かつては、配偶者控除内で働くなら短期・単発の仕事をして自分で調整するしかない、とよく言われてきました。
最近では、配偶者控除内で働ける仕事も増え、腰を据えて、長く安定して働きたい人の希望も叶うようになってきています。
働き方で生涯年収は変わる?
生涯年収を見据えて仕事に就こうと考えたときに、最も収入が得られるのは正社員。
正社員はパートより年収が多い分、それだけ責任が重かったり、勤務時間が長かったりと仕事への割合が大きくなることが予想でき、家庭との両立は難しくなりがちです。
パートで働く場合でも、ある程度の時間を確保できるなら、扶養控除を気にせずに働いた方が生涯年収は当然増えます。
20代半ばで結婚した主婦が、その後35年間ずっと働き続けた時、パートだった場合と、正社員を続けた場合の平均年収と生涯年収はどのくらい差があるのでしょうか?また、雇用形態による「年収」以外の差は、あるのでしょうか。
また、扶養枠内で働きたい人に人気の就業日数・時間は、週3日程度・1日4、5時間以内が人気です。
正社員、フルタイムパートとは生涯年収は変わってきますが、育児・家事もがんばりながら仕事もしたい、バランス重視の方には、年収に代えがたい働き方です。
まとめ
専業主婦と兼業主婦には、それぞれメリット・デメリットがあります。
ご自身の性格・考え方や、子どもの年齢、配偶者の収入・家事の協力度合いによっても、どちらがよいか変わってくるでしょう。
自分ひとりでは決められないことだと思いますので、中長期的な家族のマネープラン、ライフプランなども併せながら、ご家族でよく話し合ってみてくださいね。
提供・しゅふJOBナビ
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