静岡県との県境に位置する温泉街・神奈川県湯河原(ゆがわら)。日本最古の和歌集『万葉集』にも登場しているほどの古湯として知られており、明治時代には多くの文人たちが訪れました。そんな歴史ある温泉街は、温泉はもちろん、絶景スポットや絶品グルメを味わえるお店など、見どころ満載!今回は湯河原のおすすめ観光スポットとお店を厳選してご紹介します。
湯河原ってどんな町?
湯河原は神奈川県の西部・静岡県の県境に位置する町。古くから万病に効くと評判の高い良質な温泉が湧いているほか、雄大な自然に恵まれており、行楽・静養で多くの人が訪れています。湯河原までは、東京駅から東海道線の特急「踊り子号」で約1時間15分、名古屋、大阪からは新幹線と在来線で最短約2時間~2時間30分でアクセスすることができます。
また湯河原には、明治時代中頃から昭和時代にかけて活躍した文人たちに愛された温泉旅館やスポットがあり、旅館「伊藤屋」は小説『夜明け前』で有名な作家・島崎藤村(しまざきとうそん)が定宿として足を運んだほか、奥湯河原にある「加満田(かまた)」では、昭和に活躍した作家・水上勉(みずかみつとむ)らが足繁く通いました。
【1】マイナスイオンたっぷりのパワースポット「不動滝」
最初にご紹介する湯河原のおすすめ観光スポットは、落差15メートルの「不動滝(ふどうだき)」。この付近では、天然鉱石である「沸石(ふっせき)」が1931年(昭和6年)に発見され、この石は温泉と密接な関係があるといわれています。
滝の周辺には、パワースポットがあります。滝を正面に見て左側には厄除け等にご利益がある身代わり不動尊、右側には出世大黒尊が祀られているので、滝の見学とあわせて参拝しましょう。
また滝のすぐそばには茶屋もあり、食事やショッピングを楽しむことが可能。甘酒(税込400円)やおしるこ(税込500円)を味わえるほか、食事もしくはお土産を買ってプラス100円を支払えば、源泉かけ流しの足湯に入ることができるので、ぜひ立ち寄ってみて。
【2】和モダンな温泉カフェ「Gensen Café」
外国人観光客を中心に人気の温泉宿「The Ryokan Tokyo Yugawara(ザ リョカン トウキョウ ユガワラ)」内にある「Gensen Café(ゲンセンカフェ)」。湯河原温泉街の中心地から坂道をのぼったところにあり、鳥居をモチーフにした玄関口で利用者をお出迎え。ここでは、日帰り温泉や食事を堪能することができます。
館内にはゆったり、のんびりと過ごせる席があり、窓からは美しい山の景色を楽しめます。また畳の上には、ふわふわとしたクッションが置かれています。その正体は、アメリカから上陸した魔法のソファ「Yogibo(ヨギボー)」。かたい面がなく、気軽に横になることができます。
多くの文人たちが足を運んだ湯河原温泉にちなんで、店内には小説や雑誌、絵本が置かれており、それらは読むこともできます。そのラインナップは、話題の本から芥川賞、直木賞を受賞した作品まで様々。お気に入りの本を読みながら、のんびりと過ごしてみては。
カフェと一緒にセットで利用できる温泉は、100%源泉かけ流し。腰痛や疲労回復等に効能があり、カフェ利用客用は、以下3つのプランから選ぶことができます。
- 貸切温泉(平日限定・11時~15時最終入場)
- 手ぶらdeほっこりパック(土日祝日12時~18時最終入場・平日16時~18時最終入場)
- 日帰り入浴
空いていれば当日予約なしでも利用できますが、週末や大型連休の時期は多くの人で賑わいますので、事前に予約することをおすすめします。
食事はアジや金目鯛などの海の幸を使った「湯河原おちょこ御膳」(税込1,860円)や、ホタテが入った「揚げおにぎり茶漬け」のほか、パイナップルキウイやベリーヨーグルトが入った「アイスキャンディー」(各税込300円)をはじめとしたスイーツを味わえます。
また平日限定の「貸切温泉」プランや「手ぶらdeほっこりパック」を利用した場合には、ワンドリンクサービスがついてきます。ビールやラムネ、さらに湯河原みかんのジュースなどのドリンクも堪能できるので、湯上がりに喉を潤してみて。
【3】美しい木々の散策と非日常の温泉を楽しめる「万葉公園」
湯河原温泉を代表する観光スポット「万葉公園(まんようこうえん)」。園内には多くの植物が植えられているほか、明治時代に活躍した小説家・国木田独歩(くにきだどっぽ)や、大正時代から昭和時代に活躍した歌人・佐々木信綱(ささきのぶつな)といった湯河原ゆかりの文人墨客の歌碑があります。
また公園内にはタヌキを祀る「狸福神社(りふくじんじゃ)」というパワースポットがあります。湯河原で湯治をしたタヌキの夫婦が、その温泉のすばらしさを人々に伝えたことで湯河原が有名になったと言い伝えられており、以降神の使いとしてこの湯を守り続けています。
自然と温泉で癒しのひと時を提供する「湯河原惣湯 Books and Retreat」
こちらは、万葉公園内にある温泉施設「湯河原惣湯 Books and Retreat(ゆがわらそうゆ ブック アンド リトリート)」。カフェや観光案内所を併設した「玄関テラス」と、温泉とライブラリー、ダイニングを併設する「惣湯テラス」があり、温泉はもちろん、食事や自然を通して有意義な時間を過ごせます。
惣湯テラスにある温泉は、大浴場と露天風呂の2種類。源泉かけ流しで、川のせせらぎや鳥のさえずりを聴きながら入浴を楽しめます。お肌のツヤにも期待できますよ。
また惣湯テラス内にあるダイニングでは、季節の食材を使った創作料理を提供。太刀魚の炊き込みご飯や、カボチャとナスの煮物など、栄養バランスを考えた一品を味わえます。
ゆっくりと寛ぎたい方は、ライブラリーを利用するのもおすすめ。小説や図鑑、エッセイなど、100冊以上の本を取り揃えており、入浴や食事の前後に読書をしてもいいですね。
さらに「玄関テラス」では、軽食やドリンクを提供。サンドウィッチをはじめ、スコーンやブラマンジェ、コーヒー、紅茶などを味わえます。またテイクアウトも可能なので、渓流沿いにあるベンチで寛ぎながら、食事を楽しんでみては。
【4】樹齢約850年の楠が生えるパワースポット「五所神社」
東海道新幹線の線路沿いに位置する「五所神社(ごしょじんじゃ)」。天智天皇(てんちてんのう)が活躍した頃に創建されたといわれており、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝が伊豆挙兵時、この地方の豪族・土肥実平(どひさねひら)が頼朝を助けて、戦勝祈願の護摩をたいたといわれたことから、長寿長命等にご利益があると言われています。
境内には大黒天や恵比寿神といった七福神像が祀られているほか、樹齢約850年の「御神木の楠」があり、健康・長寿・ボケ防止の力を与えるパワースポットとして多くの人が訪れています。また、道路を挟んで反対側には、「明神の楠」と呼ばれる樹齢800年以上の楠も生えているので、あわせてチェックしてみて。
【5】湯河原特産・みかんのお菓子の工房「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」
贈答用アソートクッキーで国内トップシェアを誇る菓子メーカー「ちぼり」の本社直営店。ショップとカフェも併設されており、地元の湯河原みかんを使った焼き菓子や特産品を購入したり味わったりすることができます。湯河原観光でお土産を買いたい方やひと休みしたい方には、ピッタリなスポットです。
施設の2階にはミニ工場見学コースもあり、2階の工場見学窓から定番のアソートクッキーの製造工程を間近で見学できるほか、展示されている動画やパネルを通してちぼりの歴史やお菓子の作り方について学ぶことができます。また、事前に電話予約が必要ですが、お菓子づくりを体験できるコーナーもあり、子どもから大人まで気軽に楽しめます。
ショップでは、湯河原みかんジャムを加えたオリジナルのキャラメルソースにサブレ生地をサンドした「サブレサンド」や小田原・片浦レモンを使った「片浦レモンラングロール」(18本入り・税込756円)、さらにサクッととろけるような食感を楽しめる湯河原みかんが入った焼き菓子「チュイールキャラメルサンド」(4枚入り・税込648円~)などのお菓子を販売しています。
さらにカフェでは、店舗でしか味わえない出来たてのスイーツを提供。ちぼりの色々なクッキーを楽しめる「クッキーバイキング」(ワンドリンク付き・税込540円)や、湯河原みかんジュースのクリームがたっぷり入った「湯河原みかんシュークリーム」など、絶品の一品を堪能できます。