地元の友達と約束があり、予定を変更できない
「ただ、問題はその後です。最初に予約した時点ではどの便も空いていたのに、このときに空席状況を確認したら満席になってる便が多かったんです。当初乗ろうと思っていた便も満席でした」
しかも、翌日は久々の帰省ということで地元の友人たちが飲み会を開いてくれることになっていました。その関係もあって、翌日のフライトになれば主賓(しゅひん)不在ということでせっかくの歓迎パーティも中止になってしまいます。それだけはなんとか避けたいと考えた紗友さん。
悩んだ末に出した結論は、ANAの「プレミアムクラス」と呼ばれる座席の購入。航空会社で名称は異なりますが、国際線で言うところのビジネスクラスに相当し、広々としたゆったりシートで座り心地は快適。ただし、その分運賃は高くなります。
ANAプレミアムクラスのシート
彼女が乗りたかった便は普通席は満席でもプレミアムシートはまだ空席が残っていたそうです。かといって出発前日なので割引なしの正規運賃しかなく、それだと片道分だけで6万円以上かかってしまいます。
「それで半分グチみたいな感じで彼氏にLINEを送ったんです。そしたら5分ほどで『株主優待券割引なら直前でも安く買えるよ』ってメッセージが返ってきたんです」
これはJALやANAが自社の株主向けに発行している割引券。国内線の普通席なら50%割引で、プレミアムクラス(※JAL国内線の場合は「ファーストクラス」)も半額まではいきませんが大幅に割引された運賃で搭乗ができます。
航空券は高かったけど、セレブ気分を体験できた?
街の金券ショップで簡単に手に入るため、そのことを恋人から教えてもらい、仕事終わりに勤務先近くのお店で購入。結果、正規運賃だと6万円以上だった航空券を株主優待割引運賃の3万8280円で手配することができたそうです。
「優待券は1枚1500円で買ったので、合わせても約4万円。結構安くなりましたが、それでも完全に予算オーバーですよ! でも、このタイミングを逃すと地元の友達に次いつ会えるかわからないし、自分のミスが原因で約束を破るわけにもいきませんから」
予定外の出費をしいられる形になりましたが、人生初のプレミアムクラスは「セレブになった気分でした」と錯覚(さっかく)するほどに感動。
「出発前にはフリードリンクバー付きの専用ラウンジが使えたし、機内では食事が出てワインも頂いちゃいました。あと、シートも思いっきり足を伸ばせるし、背もたれも横になれるほど倒れて、とにかくスゴかった。1時間45分の短いフライトでしたけど、あれなら10時間くらい乗っていたかった」
おかげで今は節約生活をするハメになったようですが、出費に見合うだけの価値はあった様子。いつか機会があれば、ぜひ乗ってみたいものですね。
―お金まわりの悲喜こもごも―
<文/トシタカマサ イラスト/カツオ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 トシタカマサ 一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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