NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の第6週から登場した米軍将校・ロバート・ローズウッド。この役を演じている村雨辰剛(むらさめたつまさ、33歳)がいま、注目を集めています。
村雨辰剛(画像:Amazonより)
12月22日放送回では、上白石萌音(23)演じる安子の「岡山編」が最終話を迎えました。村雨が演じたロバートは、安子の人生に大きな影響を与える人物という大事な役どころ。 そうそうたるキャストのなかでも引けをとらない堂々とした演技を見せていましたが、演技経験はほぼゼロ。実は彼の本職は日本庭園といった庭を造る庭師で、俳優ではないのです。
19歳でスウェーデンから来日、造園所で5年間修行
村雨の出身はスウェーデンで、もとの名前はヤコブ・セバスティアン・ビヨーク。とても綺麗な国のイメージですが、彼としては当時住んでいた地域が持つ田舎特有の世間の狭さに嫌気がさし、遠い日本の文化に興味を持つようになります。
14歳の頃に「将来は日本に住む」という目標を掲げ、その夢に向かって日本語を独学で猛勉強。高校生だった16歳の夏休みに3ヶ月間来日をし、横浜の何代も続く旧家に暮らす家庭にホームステイをします。そして高校卒業後の19歳に再来日を果たし、語学関係の仕事に就きました。
仕事をする中で「もっと日本古来の文化に関わった仕事がしたい!」と思うようになった村雨は、23歳の頃に日本庭園を造る造園所でアルバイトをすることに。もともと東洋建築に関心があった村雨にとって、数々の日本庭園に触れることができるこの仕事はまさに夢のよう。「これぞ天職!」と運命を感じ、愛知県の造園所「加藤造園」で5年間の修行を終えました。その後はさらに庭を設計する技術を習得すべく、東京へ進出しました。
日本庭園の魅力を伝えるために、ツイッター開設
26歳だった2014年には、ついに日本国籍を取得。日本名の名字は親方・加藤剛さんのアイデアで、由来は昭和期の時代小説家・村雨退二郎。名前は自ら考え、辰年生まれから取った「辰」と親方の名前から「剛」を拝借したそう。日本らしく、たくましい名前が仕上がりました。
村雨は日本庭園の良さを世界に伝えるべく、2014年からツイッターを開始。SNSを通じて発信した造園の魅力ツイートが反響を呼び、次第にメディア露出が増えてゆきます。造園に出会う前に日本の外国人事務所にスカウトされCMなどの仕事もこなしていましたが、SNS開設がブレイクのきっかけを与えてくれたようです。