東急電鉄は1月7日、国土交通省へ2023年3月からの運賃値上げの申請を行いました。鉄道業界にも大きな痛手となっているコロナ禍。東急電鉄に続いて、値上げ申請が続くのではないかとの懸念も聞かれます。

東急電鉄の値上げ申請

東急電鉄は2021年11月の決算説明会で運賃値上げを発表しました。改定率は全体で10数%、実質的な増収率は10%未満を想定しています。これにより初乗り運賃は10円程度の値上げとなり、120円から130円ほどになる予定です。

経営努力を最優先とし、利用者の負担を極力抑えた形での運賃改定案となっています。

2020年度は収入・輸送人員共に減少

収入面では定期券による運賃収入が31.5%のマイナス。輸送人員は33.7%のマイナスとなっています。定期以外の収入もほぼ同様の数字であり、厳しい状態が続いていました。

また値上げの背景の一つに安全性や利便性を追求し、高水準な安全性を今後も維持していくことがあげられます。

近年は落下事故などの防止に向けて、ホームドア・センサー付き固定式ホーム柵の設置を進めてきました。現在整備率は100%となっています。また車内防犯カメラの設置も100%と東急電鉄は安全面での取り組みに力を入れています。

収入の減少、安全面への取り組みなど、値上げの申請にはさまざまな要因があります。加えて、テレワークの定着により、アフターコロナとなってもコロナ前の水準に戻すのは難しいということもその背景の一つです。