「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から黒島結菜さんのインタビューをお届けします♪

cover interview 黒島結菜

人気ライター・カツセマサヒコ氏の小説家デビュー作「明け方の若者たち」が、刊行からわずか1年で早くも映画化。

若者たちの等身大の青春と恋愛を描いた話題作で、主人公がひと目ぼれする“彼女”を演じた黒島結菜さんに、作品のみどころを聞いた。

Profile

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(画像=michillより引用)

1997年生まれ。2011年、ウィルコム沖縄イメージガールコンテストで特別賞「沖縄美少女図鑑賞」を受賞し、芸能界デビュー。2013年「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」で映画初出演。2014年にドラマ「アオイホノオ」(TX)で連続ドラマに初出演し、同年後期のNHK連続テレビ小説「マッサン」で朝ドラ初出演を果たす。以降多数の映画、ドラマ等で活躍する若手実力派。2022年前期放送予定のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロインを演じる。

若者たちの悩みや葛藤を描いた作品台詞を言葉にするのが難しいこともありました

映画の原作となった「明け方の若者たち」は、2020年6月に刊行されるとすぐに各書店で特設コーナーが組まれ、情報番組や著名人のSNSで紹介・拡散されるなど、多くの人々の心を掴んだベストセラー小説だ。

物語の舞台は2012年4月の東京。主人公の“僕”(北村匠海)は、明大前の飲み屋で開かれた大学最後の飲み会に付き合いで参加し、バカ騒ぎする学生たちの中でひとりだけ雰囲気が違う“彼女”(黒島結菜)にひと目ぼれ。「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」。そんなショートメッセージから、沼のような5年間が始まる…。

「原作を読んだときの“彼女”の第一印象は、理解はできるけれど共感はできない役だなと思いました。でも作品全体を俯瞰してみると、色々なことに悩みながらも一生懸命生きようとしている姿があって。ちょうど私と同世代の友達も恋愛や就職とか色々な悩みを抱えている時期だったりするので、『わかる、わかる』と思える部分もありました。“僕”と“彼女”が恋愛を楽しんでいる瞬間は、「いいなぁ」とか「こういうデートがしたいな」と思える場面がたくさんあって、原作を読んでいてとても楽しかったです。脚本は原作に忠実というか、まさに原作を映像化した作品になっているので、原作ファンの人にも好きになってもらえる映画だと思います」

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(画像=michillより引用)

劇中では二人が距離を縮めていく過程や、恋愛にのめり込んでいく様子、学生から社会人になり理想と現実の違いに打ちのめされる描写など、誰もが一度は経験したことのある若者たちの悩みや葛藤が丁寧に描かれる。

「私はデートをしているシーンが多かったので、撮影自体はずっと楽しかったです(笑)。

でも“彼女”にも抱えている問題や葛藤があって、台詞を言葉にするのがすごく難しく感じたこともありました。松本監督からは『感情を出しすぎないように』とか『もっと抑えていいよ』という演出が多かった気がします。本心で言っているのに100%ではないような曖昧さや、冷たくなりすぎないような表現を考えながら演じていて、かなり抑え目のお芝居になっていると思います。小説は割と“僕”目線で、“僕”から見た彼女の世界が広がっているけれど、映画では客観的な視点を意識しました」

原作の発売から1年半のスピード公開となった本作の映画化は、松本監督がプロデューサーに原作を薦めたことがきっかけだったという。監督と黒島さんは同世代ということもあり、作品についてさまざまな意見を交わしたそう。

「同世代の監督とお仕事をする機会はほとんどないので、貴重な経験でした。年齢が近いからなのか色々と話しやすくて、作品や役について自分たちの経験も交えながらお互いフラットに意見を言ったり、聞いたりできました。クランクインまではどうやって演じようかと悩みましたが、考えても考えても答えが出なくて、いいや、忘れよう!その瞬間瞬間を本気で“彼”のことを好きになって、全力で今を楽しむ!と、割り切りました。役について考え出したら止まらないですし、映画を観ている方には本当の笑顔や心から楽しんでいる表情を見てほしいと思ったので」