親御さん(おやごさん)という言葉の意味や使い方についてご紹介しています。親御さんという言葉とは、他人の親を敬って表現するときの、敬語の一種である丁寧語です。親御さんという言葉の使い方や注意点、また結婚の挨拶をするときのマナーなどについても解説しています。
「親御さん」の意味とは?
「親御さん(おやごさん)」とは「他人の親をあらわす丁寧語」の意味
「親御さん(おやごさん)」とは、他人の親を丁寧語で表現するときの言葉です。そもそも、「親御」という言葉自体が他人の親のことを丁寧語で表現した言葉です。そこに親しみを込めて「さん」をつけて、「親御さん(おやごさん)」という言葉が出来上がっています。
「親御さん(おやごさん)」とは、他人の親を呼ぶときにのみ使います。自分の親を表現したり、結婚している相手の親を表現するときには用いません。
「親御さん」の由来は「親の御前(おんまえ)」
「親御さん(おやごさん)」とは、「親の御前」という言葉に由来していると言われています。「御前」とは文字通り、だれかの前という意味ですが、身分の高い人や貴人などに対して使われる言葉です。
昔は現代のような家族関係ではなく、家長を強く重んじる文化にあったことから子どもにとって親は偉大な存在でした。そこから、「親の御前」という言葉が生まれ、そこから「親御」という言葉に由来したと言われています。
「親御さん」と似ている言葉「甥御」「姪御」
「親御さん(おやごさん)」と似ている言葉には、「甥御さん(おいごさん)」や「姪御さん(めいごさん)」があります。文字通り、兄弟姉妹の子どもを敬って呼ぶ表現として用いられます。
このほかにも「姉御」という言葉がありますが、この言葉は今は皮肉を込めて使われる言葉に変化しているため丁寧語として用いられてはいません。
兄弟のことを表現する場合には、「ご兄弟」や「お兄さん」「お姉さん」「弟さん」「妹さん」という使い方が一般的で好ましいでしょう。
「親御さん」の使い方・使う際の注意点は?
「親御さん」の使い方・使う際の注意点①目上の人への敬語としては使わない
「親御さん」という言葉の使い方・使う際の注意点の1つ目は、上司や目上の人に対して使う敬語としてはふさわしくないということです。例えば会社の社長に対して「社長の親御さんはお元気ですか」と使うのは好ましくありません。この場合は、「社長のお父様、お母様はお元気ですか」という使い方をする方がベターでしょう。
反対に、上司が部下に対して、先生が生徒に対して、「親御さんはお元気ですか」という表現をするのは一般的によく使われています。
「親御さん」の使い方・使う際の注意点②片親の場合に使いやすい
「親御さん」という言葉の使い方・使う際の注意点の2つ目は、「親御さん」という言葉が相手が片親などの場合に使いやすい言葉であるということです。「親御さん」という言葉の類義語として「ご両親」という言葉があります。
「親御さん」という言葉と同じように、「両親」という言葉に丁寧語の一種の美化語である「ご」を付けて、両親のことを丁寧に表現した言葉です。
しかし、相手には父親か母親のどちらか一方しかいないという場合もあります。その場合や、両親が健在であるかどうかがわからないときには、「親御さん」という言葉は非常に使いやすい言葉と言えるでしょう。
POINT
結婚式では「親御さま」が使われている!
結婚式のプランナーや司会者をはじめとした関係者は「ご両親」という言葉はほとんど使いません。上記のように片親の場合や、健在かどうかが不明確な場合、そのほか複雑な家庭があることを念頭に置き、両親が健在の場合であっても「親御さま」と表現しています。
「親御さん」の使い方・使う際の注意点③「様」は堅苦しい
「親御さん」の使い方・使う際の注意点の3つ目は、「様」は堅苦しくなりすぎるため使わないということです。日常会話の中で相手の親のことを話すときに「親御様」というのは堅苦しい印象があります。目上の人の両親について話が聞きたい場合には、「親御様」ではなく「お父様」や「お母様」と表現するほうがいいでしょう。
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーとは?
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナー①到着は数分遅れがベスト
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーの1つ目は、相手の家への到着時間は、数分遅れがベストということです。時間ぴったりに訪問することも悪いことではありませんが、到着を待っている相手の親御さんを急かすような印象になってしまうためです。
2分から4分くらいの遅れがちょうどいいでしょう。しかし、もちろん時間通りに自宅周辺に到着していることが前提です。到着自体が遅れてしまうことで5分以上遅れてしまうという場合には、あらかじめ電話での連絡をしておくようにしましょう。
男性から、女性側の実家に挨拶に出向くのは人生の中でも片手に入るような緊張のタイミングでしょう。そのときのおすすめの服装や、守るべきマナーについても解説しています。
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナー②玄関でのマナー
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーの2つ目は、玄関で注意したいマナーです。相手に自分のことを紹介してもらったあとは、促されたら靴を脱いで自宅に上がります。靴を脱ぐ際には正面を向いて靴を脱ぎ、脱いだあとに靴のつま先を玄関扉に向けて置くようにしましょう。
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナー③手土産の選び方と渡し方
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーの3つ目は、手土産の選び方と渡し方です。まず、手土産は訪問する相手の家の最寄り駅や近所では購入してはいけません。手土産の価値が分かりやすいですし、間に合わせで選んだという印象が生まれるためです。
また、渡すときは玄関ではなく部屋に入ってから渡します。紙袋や風呂敷から出して、袋ごとなどではなく中だけを渡すようにしましょう。
両親への結婚の挨拶に持っていく手土産は、その選び方も迷ってしまうでしょう。喜ばれる手土産を選んで、相手にもいい印象を持ってもらいたいですね。
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナー④結婚申し込みは歓談後に
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーの4つ目は、結婚の申し込みのタイミングです。訪問して自己紹介のあとすぐに結婚の報告をするのではなく、少しお茶やお菓子をいただいたり歓談をしてから、本題である結婚の申し込みに入るようにしましょう。
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナー⑤長居は失礼
結婚相手の親御さんへ挨拶する際のマナーの5つ目は、長居しすぎないということです。結婚の挨拶で訪問する場合には2時間前後がちょうどいい時間です。「まずはご挨拶をと思いましたので」と切り出し、相手に失礼にならないようにしましょう。
また、遠方で日帰りでの挨拶が難しい場合には自分で宿泊先を抑えておくのがベストですが、相手から自宅に宿泊するように勧められた場合には、断らずに受けるのもマナーです。宿泊はせずとも夕食に招かれた場合も同様です。その場合には相手に手間をかけさせないように、必要最低限のものは準備していくようにしましょう。